今日の日経の記事に腫瘍溶解ウイルスの特集記事が載っていましたね。
地合の悪さもあって思ったほどオンコリスやタカラバイオの株価が上がらなかったのが残念ですが、大きな注目を集めたのではと思います。

「難治がん ウイルスで退治 
国立がん研・鳥取大や杏林大 免疫療法と併用も」 
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO30958620V20C18A5TJM000/

この記事で出ている国立がんセンター東病院で行っているテロメライシン(腫瘍溶解ウイルス)+キイトルーダ併用療法の治験第一相は、オンコリスバイオファーマというバイオベンチャーの開発している治療法です。

オンコリスバイオファーマは大手製薬会社の研究者が独立して企業したバイオベンチャーで、岡山大学の開発したウイルス療法を用いてがんの克服を目指している会社です。
ウイルス療法についてはオンコリスのHPに大変わかりやすい説明と社長の熱い思いが載っていますので興味のある方は必見です。

「ウイルス療法にかける想いー―風邪のウイルスががんを破壊する」
http://www.oncolys.com/jp/pipeline/pic-story.html

このHPによると、末期の悪性リンパ腫の子供がはしかウイルスの感染によって腫瘍が完全に消えてしまったというケースが知られており、がんウイルス療法というのはそこから着想を得たものだそうですね。
安全な形に飼いならしたウイルスを使って腫瘍を溶解させることを目指した治療法です。

今日の日経に特集された国立がんセンター東病院で4月から行っている治験第一相については6月1日からアメリカで開催される米国臨床腫瘍学会(ASCO)で発表されるみたいですね。
An open label phase I study to evaluate the safety and efficacy of OBP-301 with pembrolizumab in patients with advanced solid tumors.
https://meetinglibrary.asco.org/record/165299/abstract

腫瘍溶解ウイルスだけでなく、来月の米国臨床腫瘍学会(ASCO)では世界中から沢山の研究者が集まって新しいがんの治療の成果が発表されます。
日本からも多くの記者たちが取材に行き、山のように最新のがん治療法の記事を書いて報告してくれることでしょう。
どんなすごいニュースが出てくるのか今から楽しみでなりません。
いくつかのがん関連銘柄の株主としても一人のがん患者としても目が離せませんね。