今日は血液検査のため午後から診察です。
阪大の細胞競合の論文についての記事はちょっと待っていただいて、今日の診察内容を書きたいと思います。

今日の診察内容は以下の二点です。
①予定通り抗がん剤治療の第7クールを始められるか
②再発モニタリングのための腫瘍マーカーの結果

①について、血小板はほぼ基準値の15.0万/μlまで回復していました。
無事予定通りに次のクールに進めそうです。
来週から入院しGC療法第7クールに入ります。
第6クールも片腎のため減薬して行いましたが、骨髄抑制が強く出たため第7クールはさらに減薬します。
血小板が一時は輸血基準ぎりぎりの2.3万/μlまで減少し、もしかしてこれはいわゆる「抗がん剤のやめどき」なのではないかとひやひやしましたが、まだ私の骨髄は頑張れるようです。
次回で術後補助化学療法は終了の予定です。
どれほどの期間になるかはわかりませんが、再発まで休薬期間となります。

②について、6月はじめの採血による腫瘍マーカー抗p53抗体の結果が出ました。
はじめにお断りしておきますが、腎盂・尿管がんや膀胱がんなどの尿路上皮癌には腫瘍マーカーが未だありません。
こちらから主治医に提案したイレギュラーな再発モニタリングですので、前例もエビデンスも全くありません。
参考程度にお読みいただければと思います。

以前『経緯①人間ドックのp53腫瘍マーカー』でまとめましたように、私は腫瘍マーカーの抗p53抗体による発見という腎盂がんとしては珍しいみつかり方をしました。
この特性を生かして腫瘍マーカーとして使えないかと治療を始める際に主治医に相談してみたところ、抗がん剤の効果はこれではなく画像で判断し、再発モニタリングに使うのはどうかと提案され、術後から測定を開始しました。

測定を始めた2011年からの私の数値は次の通りです。(基準値:1.3U/ml)
抗p53抗体(U/ml)
2011年     0.7
2012年     0.7
2013年     5.3
2014年     12.2
2015年     20
2016年     83.6
2018年6月 54.8 ←

今回は54.8U/mlでした。
主治医もこのマーカーは使い慣れていないのかよくわからないようですが、とりあえず「高いです」と言われました。
私ももっと下がっているのではと思っていたので、これはもしかして既に再発しているのではないかと目の前が真っ暗になりました。
結果を家族にLINEで送り、とぼとぼと事務所に戻って仕事をしました。

その後家族が調べておいてくれたようで、今回の数値について説明してもらいました。
いわく、この再発モニタリングは上昇・下降などの経時変化を見るもので、今回の値は初期値なので絶対値はあまり関係ないとのことです。
また抗p53抗体は他の腫瘍マーカーとは少し性質が違うようです。
他の腫瘍マーカーはがんが直接出している物質を測定しますが、抗p53抗体は突然変異した遺伝子p53が作る異常なたんぱく質が蓄積しているのに対して体が作った抗体を測定するという「間接的に見るマーカー」だそうです。

抗p53抗体の再発モニタリングへの有用性はいくつか大腸がんなどで報告が上がっており、それによると術後半年から一年かけて基準値以下へと戻るようですね。
他のマーカーだと結構すぐに下がるのでその点でも違うようです。
いくつかの報告によると、急に抗p53抗体の数値が跳ね上がった時点の少し後に再発が見つかるようです。
もちろん、術後しばらくかけて正常値に戻って数値上昇のない例でも結構再発があるそうなので安心できません。

また抗体の半減期は約一ヶ月だそうなので、もし手術により抗p53抗体の供給が完全に断たれたと仮定すると手術前は4倍の200くらいだと予想できます。
2016年の数値(83.6)と併せて考えると不自然な数値ではないような気もします。

とりあえず今回の高い数値はただの基準値であり、今後下がるか上がるかを見ていけばいいのだとわかり少し落ち着きました。
尿路上皮がんのマーカーとして使えるという証拠も実績もない方法ですが、再発を見張る目が一つ増えるのだと思えば上々です。
もともと病理検査の結果の時点で再発が濃厚なので今更ですが、少しでも無再発期間を稼ぎたい身としては今日の数値は肝が冷えました。

色々ともやもやしますが来週からの入院治療も頑張りたいです。