オンコロさんの米国臨床腫瘍学会のレポートに尿路上皮癌の情報がありました。

先日「尿路上皮癌の『次の一手』は?」でも書きましたが、アステラス製薬が開発中の待望の尿路上皮癌専用の分子標的薬Enfortumab vedotinが現在治験中です。
アメリカで行われたこの薬の治験第一相のデータの中間集計が米国腫瘍学会で発表され、なかなかよい成果を報告したそうです。

治療歴のある転移性尿路上皮がん患者に対する抗体薬物複合体(ADC)Enfortumab vedotin、全奏効率(ORR)41%を示す ――米国癌治療学会議(ASCO 2018)より

このEnfortumab vedotinは抗体-薬物複合体というタイプの分子標的薬です。
これは尿路上皮によく発現しているネクチン‐4に結合する抗体に、細胞分裂が盛んな細胞を殺す毒をくくりつけた薬剤です。

詳しくはオンコロさんの記事やアブストラクトを見ていただければと思いますが、ポイントはプラチナ製剤→キイトルーダなどの免役チェックポイント阻害剤と治療歴のある患者でも有効性を示したということです。
尿路上皮癌のサードラインとして使うことができる薬の登場です。
こちらの薬剤の治験第三相が今年の4月に始まったところですので、ぜひとも成功して承認までこぎつけてほしいものです。