労災保険の適用される従業員(5月12日のブログを参照)が、業務上の病気やケガで死亡した時は、その従業員の収入によって生計を維持(1月14日のブログを参照)していた一定の遺族に、遺族補償給付が支給されます。遺族補償給付は原則として年金になり、従業員の収入によって生計を維持していた、次のような受給資格者のうち最先順位にある者が、(1)の遺族補償年金の受給権者になります。注:遺族補償年金を受給できる者は、年金の前払いを1回だけ請求でき、これを「前払一時金」と言いますが、詳細については(2)を参照して下さい。・第1順位妻(内縁関係を含む)、60歳以上または5級以上の障害状態にある夫・第2順位18歳に達する日後の最初の3月31日までの間にある子、または5級以上の障害状態にある子・第3順位60歳以上、または5級以上の障害状態にある父母・第4順位18歳に達する日後の最初の3月31日までの間にある孫、または5級以上の障害状態にある孫・第5順位60歳以上、または5級以上の障害状態にある祖父母・第6順位18歳に達する日後の最初の3月31日までの間にある兄弟姉妹、または5級以上の障害状態にある兄弟姉妹・第7順位55歳以上60歳未満の夫(60歳まで年金の支給は停止)・第8順位55歳以上60歳未満の父母(60歳まで年金の支給は停止)・第9順位55歳以上60歳未満の祖父母(60歳まで年金の支給は停止)・第10順位55歳以上60歳未満の兄弟姉妹(60歳まで年金の支給は停止)以上のようになりますが、最先順位にある者が2人以上いる場合は、すべての者が受給権者になります(それぞれの年金額は、その人数によって等分された金額になります)。もし最先順位にある者が全員、死亡などの失権事由(1月18日のブログを参照)に該当して、遺族補償年金の受給権を失権した場合、次順位者が遺族補償年金の受給権者になります。これを「転給」と言いますが、遺族補償年金の受給権者がすべて失権して、転給できない場合があります。そうなった時に「これまでに支給された遺族補償年金+前払一時金」が、給付基礎日額(12月10日のブログを参照)の1,000日分に達していない場合には、遺族補償年金は(3)の遺族補償一時金に変わり、次のような受給資格者のうち最先順位にある者が、遺族補償一時金の受給権者になります。・配偶者・従業員の死亡当時、その収入によって生計を維持していた子・父母・孫・祖父母・上記に該当しない子・父母・孫・祖父母または兄弟姉妹また遺族補償年金の受給権者がいない場合にも、遺族補償年金は(3)の遺族補償一時金に変わり、上記のような受給資格者のうち最先順位にある者が、(3)の遺族補償一時金の受給権者になります。(1)遺族補償年金(1月11日のブログを参照)遺族補償年金を受給するためには次のような書類を添付して、「労働者災害補償保険 遺族補償年金支給請求書」(以下では「様式第12号」で記述)を、所轄の労働基準監督署に提出します。■死亡診断書、死体検案書、検視調書の写しなど労働者の死亡の事実や死亡の年月日を、証明する事のできる書類を添付します。■除籍謄本、住民票除票など遺族補償年金の請求人や他の受給資格者と、死亡した従業員との身分関係を、証明する事のできる書類を添付します。■課税証明書、非課税証明書など遺族補償年金の請求人や他の受給資格者が、死亡した従業員の収入によって、生計を維持していた事を証明できる書類を添付します。■診断書など5級以上の障害等級に該当する事により、遺族補償年金の受給資格者である者については、その状態を証明する事のできる書類を添付します。■住民票受給資格者のうち、遺族補償年金の請求人と生計を同じくしている者については、その事実を証明する事のできる書類を添付します。■年金代表者選任(解任)届(年金様式第7号)遺族補償年金の受給権者が2人以上いる場合には、代表して受領する者を決めるため、この書類を添付しなければなりません。■第三者行為災害届死亡の原因が交通事故など、第三者の行為である場合には、この書類を添付します。以上のようになりますが、転給となり受給権者が変わる場合には、「遺族補償年金 転給等請求書」(様式第13号)を、所轄の労働基準監督署に提出します。ところで遺族補償年金を受給できる者には遺族特別支給金(9月5日のブログを参照)、もしくは遺族特別年金(9月10日のブログを参照)が支給されます。ただ様式第12号を提出すると、これらの請求手続きを済ませた事になるので、別に手続きを行う必要はありません。(2)前払一時金(1月16日のブログを参照)遺族補償年金を受給できる者は1回に限り、年金の前払いを請求できますが、これを「前払一時金」と言います。この前払一時金は給付基礎日額の200日~1,000日の中から、希望するものを自由に選択します。また前払一時金を請求するには、「労働者災害補償保険 遺族補償年金前払一時金請求書(年金申請様式第1号)」を、様式第12号と同時に、所轄の労働基準監督署に提出します。注:この書類は業務上と通勤上の両者で使用する事になり、業務上で使用する場合は「遺族補償年金」の方を○で囲みますが、年金証書の番号を記入する部分は空欄にしておきます。しかし様式第12号と同時に提出できなかった場合であっても、遺族補償年金の支給決定通知があった日の、翌日から起算して1年以内なら、前払一時金を請求できますが、このように後で請求する場合には、年金証書の番号を記入して提出します。(3)遺族補償一時金(1月16日のブログを参照)遺族補償一時金を受給するためには次のような書類を添付して、「労働者災害補償保険 遺族補償一時金支給請求書(様式第15号)」を、所轄の労働基準監督署に提出します。■年金代表者選任(解任)届(年金様式第7号)遺族補償一時金の受給権者が2人以上いる場合には、代表して受領する者を決めるため、この書類を添付しなければなりません。■死亡診断書、死体検案書、検視調書の写しなど労働者の死亡の事実や死亡の年月日を、証明する事のできる書類を添付します。■除籍謄本、住民票除票など遺族補償一時金の請求人や他の受給資格者と、死亡した従業員との身分関係を、証明する事のできる書類を添付します。■課税証明書、非課税証明書など遺族補償一時金の請求人が、死亡した従業員の収入によって、生計を維持していた事を証明できる書類を添付します。■第三者行為災害届死亡の原因が交通事故など、第三者の行為である場合には、この書類を添付します。ところで遺族補償一時金を受給できる者には遺族特別支給金(9月5日のブログを参照)、もしくは遺族特別一時金(9月10日のブログを参照)が支給されます。ただ様式第15号を提出すると、これらの請求手続きを済ませた事になるので、別に手続きを行う必要はありません。以上のようになりますが、これらの書類に控えはありませんので、控えが必要という場合は、書類の記入が終わった後にコピーを取り、所轄の労働基準監督署で押印をもらいます。関連記事:労災保険や健康保険の保険給付と公的年金の調整労災保険の保険給付に関する時効とは労災保険の第三者行為災害とは労災保険の保険給付と民事損害賠償の調整とは労災保険に関する年金給付の支給月と未支給年金とは
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