バイクを預かった翌日
彼はやってきた。
学校帰りという彼の顔は、昨日とは違って晴れやかだった。
「2日間の間、バイクを預かっていただいて本当にありがとうございました
」
「おかえりなさい。大丈夫?」
「はい。友達のお父さんに教えてもらいながら、自分で治すことにしました。本当に…人のやさしさに触れることができたと思っています。温かい人っているんだなぁって思いました」
「そっか、困ったときはお互いさまだよね。きっとあなたも誰かの力になれるときに、惜しみなく助けることができるよ、ね」
「はい!見て見ぬふりの人も…いました
なのに声をかけてくれて…本当にありがとうございます」
良かった。
本当に良かった
「あの…俺、今度カットに来てもいいですか?」
え??
「来ます!絶対にきます
」
ありがとう。
本当に来てくれるのかはわからないけど、本当に困ってるときに、誰かが助けてくれたらすごくうれしいってことを感じてくれたら、きっと彼は、この先も誰かのために何ができるだろうって感じることができる人になれるよね。
よかったなぁ。
本当によかった。
きっといい整備士になれると思うよ![]()
人生、損得で生きちゃだめだよ、うん![]()
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