天気はよかったので、外に干した洗濯物たち。
なんとなく、すっきりとしなかったけど家の中に干す気にはなれないほどの量の多さ。
コストコの買い物バックに入れて、近所のコインランドリーへ100円を握りしめてでかけた。
背中に重りを背負ってるかのような感じ。
100円で8分の使用時間。
8分はあっという間に過ぎてしまった。
アツアツの洗濯物をドラムの中から出す。
ほんの少しだけため息。
ウィーン…自動ドアが開いた。
「おかぁ、おわった?」
たぁくんだった。
何気なく現れて、何も言わずにたたみ始める。
嬉しくてでてきた涙をこっそりと拭う。
確かにたぁくんの洗濯物が1番多いけど、でもこんな風にされちゃうとうれしい。
よいしょって肩に担いで、バックを持ち、さり気なく自分が道路側を歩く。
18年前は、本当に細くて小さくて、生き残れるのかって心配だったたぁくん。
病気やけがや、たくさんの挫折や諦めの中で生きてきた。
ゆずの【栄光のかけ橋】を聞くと、高校に入った当時のたぁくんがよみがえる。
サッカーを好きなうちに辞めたい、と布団にもぐっては震えて泣いていたあの頃。
*****
誰にも見せない泪(ナミダ)があった
人知れず流した泪があった
決して平らな道ではなかった
けれど確かに歩んで来た道だ
あの時想い描いた夢の途中に今も
何度も何度もあきらめかけた夢の途中
いくつもの日々を越えて 辿り着いた今がある
だからもう迷わずに進めばいい
栄光の架橋へと…
悔しくて眠れなかった夜があった
恐くて震えていた夜があった
もう駄目だと全てが嫌になって
逃げ出そうとした時も
想い出せばこうしてたくさんの
支えの中で歩いて来た
悲しみや苦しみの先に それぞれの光がある
さあ行こう 振り返らず走り出せばいい
希望に満ちた空へ…
誰にも見せない泪があった
人知れず流した泪があった
いくつもの日々を越えて
辿り着いた今がある
だからもう迷わずに進めばいい
栄光の架橋へと…
終わらないその旅へと
君の心へ続く架橋へと…
*****
あと6日したら、高校を卒業します。
この3年間で、たぁくんはたくさんの涙を流した。
誰にも気がつかれないところで、声を殺して泣いていた。
そして、上を向いて歩くことを決めた。
自分自身に強くなって、もう逃げない、いい訳も言わない。
もう2度と、サッカーと離れないと…
死ぬときまで、どんな形でもサッカーと共に生きていきたいと。
たぁくんが小学校の2年生の頃に思ったことがある。
「産まれて7年しか経ってないのに、こんなに夢中になれるものに出逢えて、たぁくんは幸せだよね。羨ましいって思うな」って。
サッカーはたぁくんの空気と同じ。
無くなったら、死んでしまうんだ。
だからこれからも、ずーっと応援してる。
たぁくんがサッカー選手になれなくてもいい。
いつまでも夢中でいてくれたら…好きなものを好きと言い続けて、誰に何を言われてもちっとも気にしない子でいて欲しい。
本当に、いい子に育ってくれたね。
真っすぐで、真っ白で…
たぁくんの旅立ちの日、涙で見失うことがないように笑顔でしっかりと目に焼き付けるよ。

