心地のい人を見た。
あれは金曜日のこと
父の病院に行くときに乗ったJRでの光景だった。
幸が降りしきり、車内もなんとなく心がざわめいているように感じた。
都会の人は、これくらいの雪でも心がざわめく そーいうあたしも都会っ子。
少しばかり混んできた車内に、一人のおじーちゃまが乗ってきた。
おっ、席を譲ってあげようとしたその時に、ウォークマンを聞いていた女性が、すくっと立ちあがって、イヤホンを外し声をかけていた。
おじーちゃまは、そのままその席に腰かけた。
席を譲った女性は…
そっとおじーちゃまに添え手をしながら、腰かけるまで見守った。
「この人、すごく優しい人なんだろうな」
そんな気がした。
触るか、触らないかの位置に手を添えて、もし転んでも大丈夫な準備。
何だかほっこりとする瞬間を見ることができて、なんだか得した気分になっちゃった。