
ずっと欲しがっていた時計
先日、アメ横に行ったときに見つけたものがすごく好きなデザインでひと目ぼれ
大きくて、どっしりとしていてベルトの部分もお気に入りだったんだ。
こんな時計をして欲しいなぁって思った

お店でダンナさんにワクワクしながら渡した。
買ってから、ずっとどんな顔で喜んでくれるかなぁって楽しみにしながら、今日という日を待ちわびていた…んだけど、それはあたしの独りよがりだったみたい
包みを開けたダンナさんは困った顔していた。
ん?
「あ…りがとっ」
「気いらなかった?」
「いや…いや…

気にいるとか、気に入らないじゃなくて
そもそもあたしはダンナさんのことをよく知らなかったんだって思うと悲しかったんだね。
困った顔していた時には、あたしもつい怒りそうになったけどさ。
おくりものって欲しがってるものをあげることなんだね
この時計をつけて、制服着てるダンナさんを想像して選んだけど、それって自己満足なんだよね…

好きじゃなかったんだよね。
普通にビジネスマンがするような品のあるデザインがよくて、あたしが選んだ時計はチャラチャラしててふざけてるように見えたんだ。
「おかぁ、かして~」
たぁくんがあたしの手から時計を取る。
「いいじゃん。これ!たぁが欲しいなぁ。」
「おまえになら似合うよ。結局は、オレのことneneはよく知らないんだなぁ…」
外の夜景も、かすんで見えちゃうね

あたしは、ダンナさんを知らないんだって…ごめんね。
でも、何を考えて何を想って、何が好きなのかってことを…やめよっ
自分が寂しくなるからね。
いいの、いいの
好みが違っていたって言うだけ。
あたしはこんな時計がしたいって思うし、つけて欲しいなぁって願っていただけ…たったそれだけのことなんだしね。
もっと、ちゃんと向き合っていろんなことを共有して、肌で感じる時間が持てたら…
次の20年後は、喜んでもらえるようなイベントできるかな。
子どもたちにも、気を使わせてしまった。
せっかく、こんな場所まで来たのにね

ごめんね、おかぁさんがへたっぴで

でも、ちゃあくんがくれた母の日のプレゼント…じゃないか、20周年記念の贈り物
サファイアのネックレスは、すごく大事にするよ。
毎日、使うからね。
この石は、9月の誕生石だもんね。
母は12月なのよぉ、してるか


