お風呂から出ると妹から電話が鳴った
はいはい、どした?
おねぇちゃん、ママいる?
いなよ…ってか、いるはずないけど何で?
ママね、歩きに行ったきり帰って来ないんだよ。もう1時間たつんだ
いつもなら40分くらいで帰ってくるんだけど…ちょっと探してくる。
そういって電話を切った
そして間もなくして、たぁくんがスエット着てやってきた。
たぁくんもお風呂から上がったばかりなのに…?
おかぁ、ママがいないんでしょ。ちょっと探してくるから
え、えっと。
うん。よろしく。携帯は持った?連絡は密にね!
うん大丈夫だよ。
あたしも大急ぎで着替えして自転車で出かけた。
一体どこに行ったんだ?何か事故にでもあったのかな。
もしかして倒れてない?
どこへ行ったらいいのかなんてわからない。
ひたすらに自分の感だけを信じて。
自分の感を信じたら、立ち止まってしまった。
ここじゃない気がする。
そう思い引き戻ることにした。こっちじゃない…こっちだ
そして間もなく、3つの影の気配を感じた。
ママ?
はいっ
返事した。ママが返事した。よかった~
どうかしたの?
うん。ママを探していたの。よかった。何事もなかったんだね。うん、よかった
近所のご夫婦にであって雑談をしていたらしい。
いやいや、いいの。
なんだっていい。
無事だったらそれだけでいい。