たぁくんの怪我から
5週間になる。同じ試合で怪我をしたシン。
幸いにも早くに回復したたぁくんは、高円宮杯も出場することができた。
高円宮の1回戦で、シンの怪我を知った。
シンは、背が高く…でも
決して足が早いわけでもなく、スタミナがあるわけでもなく…
ただどんなときも嫌な顔せずに皆のために下働きをする子だった。
ひたむきに…
純粋な眼でアタシを見た。
『たぁは、どうしてなおったんですか?』
悔しい気持ちが、シンの優しい顔の中に伺えた。
上手い言葉が見つからなかった。どんな言葉も安っぽくて。
高円宮の3回戦。
シンは、今日も仲間のそばで 微笑んでいる。