春暮康一氏作品、これまでに読んだ短編集2作品がとても素晴らしかったので、未読のラストのこの長編はめっさ期待とあと不安(何の?w)をもって読みました。

結果は 完璧!! と言いたい凄い作品でした。(個人的に合っていたと思います)

 

 

第一部から第九部まで、それぞれの中に「遠未来」「遠過去」それに本筋の話と、3つの物語が交差して展開していきます。このあたりの構成も巧みで、謎に満ちていろいろ考えさせられます。というか、始め全然わからずww 実は読了後の今もナゾのままの箇所があります汗

 

 

オープニング「遠未来」。遙かな未来で親子が宇宙への旅に出る。この世界を作ったとされる「大始祖」の足跡を辿る旅。

 

 

次に今の地球。主人公「のぞむ」。父親が思いを込めてつけたその名の意味は「遠くを見る」事だ。

 

 

果たしては、一番遠く、すなわち宇宙に興味を持ち始めて、学校の天文部で同じ志の「ゆかり」「あらた」と親友になる。かれらの名前も意味深かなと思います。

 

 

この物語はこの3人の、数億年にわたる友情物語でもあります。何しろ未来の話なので、彼らはその頭脳をアップロードされてほぼ不死の人w どんなボディ(アバター)をまとうのも(まとわないのも)自由。そして何十億光年先の遠くへと・・・。

 

 

めぐる星々の在り方も遭遇する宇宙生体も凄くリアル。いや、リアルな話ではないですがw でも間違いなく最先端のその手の学識が活かされていると思います。著者は理系出身。何しろ・・知らない言葉ばかりでかなりGoogleさんのお世話になりました。VLBIなどは知ってる人は知ってるのかも。

 

 

さて遠くに行く旅の果ては一体?

読む途中では意味不明だった「遠未来」「遠過去」も次第に繋がっていって、物語後半は(個人的には)哲学的な様相も帯びてきて、そしてラスト近くになって現れた「客人」、この存在が・・・星叫びあせる叫び恋の矢叫び星 ←こんな感じwww

 

 

時空的に想像をはるかに超えて行く壮大な物語で、ラストは深い感動でした。思ったことは山のようにあるけれど、ひとつ書くと、閉じずに開くこと、交流することの大切さ。

一部の引用でわかりにくいですが例えば↓

 

「文明どうしの交流が善いことだという確証」

終わることが在り続けることに勝る点を、私には見つけら     れません・・」

 

個人的に、この世界ってなんであるんだろうw という(否定的な)気持ちがけっこうあるのです、一切無だったらなんの苦しみもないのに的なw でもこの小説を読んで、無よりは存在、孤立よりは交流、と少しだけど思えたのが自分では嬉しかったのです。

 

 

この作品は本当に凄いと思うので、願わくはふさわしい翻訳家を得て世界に発信されますように。マジです!

 

 

そして最後に、この作品をご紹介くださったぱい先生に大感謝です。ぱいさんの記事がなかったら春暮作品を読むことは無かったと思います。ありがとうございました♪

 

 

 

さぁそして、次は我らが弊機くん男の子が待っている~!?

楽しみ~~音譜音譜チョキ音譜音譜音譜