タイトルのヒルビリーとは、田舎者を指す蔑称だそうです。

アメリカの繁栄のさなかにあってもずっと取り残されてきた、貧しい労働者階級の白人の土地で生まれ育った著者による回想録です。

 

J.D.ヴァンスという名前でお気づきの方もあると思いますが、現在のアメリカ大統領選で副大統領候補に指名されている方です。ただし、そういう好奇心から読んだのではなく(残念ながら政治には疎いほうですユーリ汗)、この本は数年前の出版時にミリオンセラーとなり世界中で翻訳されました。当時読みたいな~と思いつつ、結局読まなかった本。

今回、いい機会だと思って読んでみました。これはとても面白く一気読みでした!

 

 

 

肝心の内容ですが、貧しく劣悪な環境で子供時代を過ごした著者が、勉学に目覚め、海兵隊で自分を鍛え、その後オハイオ州立大からイェール大学ロースクールへと進み、エリートとしての歩みを始めるという、アメリカンドリームの体現者の話です。

 

 

いくつか印象に残った事。

まず貧困層の問題。家庭内暴力やアルコール、薬物問題が蔓延してそもそも生活の基盤ができていないw 彼の場合、母親がずっと薬物依存。

高校生くらいのある朝、母親が彼に「尿」を渡せという。職場から急に当日、薬物反応検査を言い渡されたのだ。泣いて迫る母親。必死で断る彼。理由は・・・彼もこのところマリファナをやっていたからww叫び 

母親もずっと不安と葛藤があり、結婚歴3回、その後も籍はいれずにパートナーが次々4人とかw 著者は義父と暮らしたり祖父母のところに居たり。

 

健康的な生活にはほど遠かったが、ある時海兵隊への入隊を思いつく。これがいわば彼の運命を変えます。

 

ダラダラ生活からかけ離れて、朝5時半起床の規則正しい生活。1600mも走りとおせなかったのに、最後は4800mを19分で走る。体重も当初より18キロ減。ブートキャンプってスゴイですねw ユーリも試してみたい気分になってきますが、多数の脱落者の一番目になるのは間違いないww

 

この方が入隊時に肥満だったのも、この貧困層の特徴でもあります。健康に留意した食事、というものは考慮されていませんw 肥満が多いし不健康が多い、特に可哀想と思ったのが子供たちがすでに歯がボロボロだったりすること汗

 

そういえば著者も、7か月の赤ん坊のころ母親が哺乳瓶にペプシをいれていて叫び見つけた祖母が止めさせた話がありましたっけ汗 彼の成功はおばあちゃんのおかげがかなりあります。ただそのおばあちゃんも・・・やはり貧困層の人でいろいろとww

 

 

 

 

酷い人生を歩むはめになってしまう人は自業自得なのでしょうか。悪い環境から抜け出すのは相当に困難??

彼は、海兵隊の訓練をやり通せたことが大きかった、と言っています。努力不足と能力不足を取り違えていた、という言葉も。最大限の努力を払う、全力を尽くす。

でもそれができる人と、たとえば海兵隊で脱落していく多くの人々、があるわけですよね・・・

 

とりあえず思うのは、ひとりではムリでも仲間や導き手があればいける!ということ。彼には多くの出会いがありました。

それとやはり、個人でムリなものは、国の、行政の力を借りたい。実は自己責任という言葉が嫌いなユーリですww 社会全体で幸せになっていかないと本当の幸せは無い、と思っているので、そのためにはいろいろ、できる限りの施策をやっていってほしいです。ちなみにベーシックインカム賛成派ですw

 

 

この本の前書きに、著者は「私は上院議員でもなければ××でもない・・・」要するに普通の人間だ、と書いているのですが、出版時が33才、その後上院議員になっていますwそして39才の今副大統領候補。かつては大嫌い、と批判していたらしいですが、超富豪のトランプ氏のいつの間にか側近というwww

 

 

 

 

ダラダラと長くなってしまいましたがあせる 読み物としてとても面白くお薦めです。

ロン・ハワード監督で映画化もされてネットフリックスで現在視聴可能。「魔法にかけられて♡」のエイミー・アダムス♡がお母さん役らしいので・・・辛いのでユーリは見ませんけどwww