前に記事を書いた「古書の来歴」の作家の作品です。

あの「若草物語」との関連が!と楽しみに読みました。

 

が、予想は外れかなりきつい読書となりました汗

 

若草物語ではあまり出てこない父親が主人公です。彼の若き日の出来事も含め、若草物語本編の、そうあの父親が従軍して不在だった、まさにその従軍の顛末が主に語られます。つまり、戦争の話です汗

 

もちろんこの作品は若草物語にヒントを得たというだけの、全く別作品であるわけですが。

若草物語ファンとしては、かつての暖かなイメージが凄まじく壊れてしまいました。真実が描かれている、とは思いますが。

 

そもそも南北戦争という戦時中の物語ですよね。大昔に読んだ時、従軍中の父親は大変だろうな、などとはちっとも思わなかったユーリw あの父の重篤を告げる電報の時でさえw

 

今は、想像の範囲とはいえ、戦争というものの惨い理不尽さ、恐ろしさもいくらかは考えます。現実に起こっていることとして汗

 

この物語は戦争と、もうひとつ、奴隷制というもののむごさをつぶさに見せてくれます。物語の中心となる父親と母親の他に、混血奴隷のグレイス、美しく高潔な人物で強く前向きに生きる力を持ちますが、でもやはり、奴隷として生まれ生きる残酷さからは逃れられていない。

 

理想に燃え奴隷制を憎む父親。

”この社会悪に対しては一方の頬を叩かれてもう一方の頬を差し出すわけにはいかない” 

”奴隷制度と言う汚点を取り除くことには犠牲を払うだけの価値があるとわたしは今でも信じている。だが、誰の犠牲だろう?(本文より。アンダーラインはユーリ)

正義のため理想のために奪われていく命。

 

かつてユーリには愛情深く理想的に見えていた母親も、何というか、ただただ、生きていくのはきれいごとではないというか。必死に立派に生きているのだけれど激しい人だなー叫び、この夫人の嫉妬心は最低だなと思いましたw

 

 

 

というわけで、過酷な読書となりました汗

でも、これはやはり秀作だと思います。人の生きる真実が描かれています。

そして、奴隷制という恐ろしいことがなぜどうやってリアルになってしまったのか。

多分そのあたりを描いてるかもしれないあの本を、「母を失うこと――大西洋奴隷航路をたどる旅」を読んでみたいなーと。    うーん汗

 

 

 

 

 

 

気がつけば、あっという間にもう6月。早いですねあせる

月日が経てば経つほどどんどんみんなが幸せになっていければいいのですが。

でも昔よりは確かに、少しずつは良くなってきていると思っています。

虎ちゃんもどんどん頑張る、きっと!!(TVドラマのww)