第二次世界大戦中、ホロコーストの話です。
ナチスに捕まって銃殺される危機一髪のところで、ユダヤ人青年のジルはとっさにペルシャ人だと主張して死を免れる。たまたまペルシャ語の本を持っていたのだ。
しかし、収容所でジルはペルシャ語を覚えたいという将校にレッスンをする羽目になる。
嘘のペルシャ語をでっちあげて、将校に教える。数語ずつ覚えると言っていた将校は、すぐに一日に40語ずつやる、と言い出す。将校は紙にも書いて時間をかけて覚えるが、ジルは・・・ひたすら頭の中で、あるいはブツブツと小声で。噓がばれないように、命がけで次々に造語しては自らが覚えていく。必死に覚えるが、それはいつかは絶対に破綻するにちがいない状況。もう・・ドキドキハラハラです
そしてこの収容所内の人々。規則だの規律だのという名のもとでの暴力。殺人。そう、そもそも完全に非人間的な犯罪行為です。支配する側の醜さ。
ほんとうにあってはならない残忍な行為です、戦争は。残念なことに今もまだまだ多くの人々が苦しみ続けています。
一つ思ったこと。ごく個人的な感想ですが。
ジルがこの将校に尋ねる短いシーンがあります。なぜナチスに入ったのかと。実のところ将校に深い意図は無かった。
そして最近見た映画「聖なる鹿殺し」。ここでも、悪という自覚がないままに流れていく日常、常識、そういったものがいつの間にか悪魔のような行為を許す状況を作っているのかも、と思いました。知ることは大切。時には立ち止まって沈思も大切かと。
「聖なる鹿殺し」もなかなかに深い作品です。キモいのでお薦めはしませんがw
この作品に戻って。 絶体絶命の状況のなかでほんとうに危うく命をつないでいく主人公、一体どうなるのか ずっと夢中で見ていきました。そしてラストの、あのシーン、何とも言えない、苦しく悲しいけれどまた感動も誘われて号泣でした
強力に推薦してくださったハイジさんに大感謝です
題材がリアルなだけにこう言ってはちょっとアレですがw始めから終わりまで見事に仕組まれた、非常に面白い作品です。鬱蒼と冷たい世界ながらとても美しい自然、そして音楽も素晴らしい。
ユーリからも!お薦め映画です!!