ブロ友さんたちの間で好評だった作品を読みました。いや~もう、夢中で一気読みでした。

 

150年も前のアメリカが舞台です。貧困と飢餓で家族を失い、生きるためにアイルランドからアメリカに渡った少年トマスの人生の物語です。

 

同じように孤独なジョン・コールと出会って友となり(やがて恋人となり)、酒場で女装して客のダンスの相手をしたり(ここでトマスは自身の本然に目覚める)、やがて一緒に軍隊へ入ります。

 

ただ食べるためだけの入隊だが、軍隊の仕事はひとつ。殺戮。前半では先住民との戦い。後半では南北戦争の兵士として、もうこれは、筆舌に尽くしがたい死闘というか、人としての存在を外れてしまったような情景は読むのもつらくなります。

でもこの地獄は作り事ではなく、戦争となれば必ずあり得ること。シベリア抑留の人々のことなどが頭をよぎります汗

 

一時は退いて、運命で連れてきた先住民の娘ウィノナと愛するジョン・コールと3人で「最高の生活」を始めるのですが、しかしまた戦場へ。そして思いがけない運命をたどるトマス。

 

タイトル「終わりのない日々」

読みながらこのタイトルの意味が胸に浮かび上がってきて、それは時に平和な幸せな日が廻ろうともそれはほんのたまゆらで、結局人の生きる道というのは苦痛と悲嘆が延々と続いて、みんな生まれてはやがて必ず死に、でもまた次々に生まれては・・・という感じを持ってしまったのですが汗

 

死にゆく曹長の言葉「人生って何のためにあるんだか俺にはわからん」本当にそうだと思いました汗

 

が。実は。

単純バカというか、読んでいてまたふっと違う箇所で違う感動と共感がありましてw

 

第22章のラスト。

「・・・・・・  そんな生活には終わりがない」という言葉がでてきて、端折っているので伝えきれませんがwwこれはずっと肯定的な力ある言葉として書かれています。次に「もしも終わるときが来たら、その終わりをきっと正しいものと感じるだろう。」と続きます。ここでもう、大号泣でしたあせる

(実は感動しすぎて、これで物語は終わりだ、と勘違いしてしまいました、まだ続きましたww)

 

 

それにしても凄い作品だと思います。

地獄の戦場で出会って友として絆を結んだ5人。そのなかのひとりをまさか自分が・・・という運命あせる

 

あるいは、非人間的な戦地にあっても救いと感じられるような人物、高邁な人物だったはずの少佐が・・・あせる 

戦争は結局、人を狂気に追いやるものです。絶対に避けたいもの。

 

一読をお勧めしたい力作だと思います。

ご紹介、大変ありがとうございました!!!

 

 

 

 

 

 

ところで、とまた長くなりますがww 著者の他の作品もチェックしていたら、以前見た秀作映画もこの方の原作でした。「The Secret Scripture」コスタ賞受賞。映画の邦題は「ローズの秘密の頁」。(翻訳小説はでていないようで残念汗

 

以前書いた記事から下に写します。映画の紹介記事というより、大好きな俳優さんについての記事ですがww

 

 

『いちばん彼の持ち味がでてる(と思った)のが「ローズの秘密の頁」という、自らの赤ん坊を殺害して40年以上も精神病院で暮らしているある女性の物語。秀作ですが、めっさ悲劇です汗 この映画で主人公がほんのわずかな期間だけ持った幸せな愛の日々、その相手がジャック・レイナ―扮する飛行機乗りの男性でした。』

 

こちらも感動作でした。主演のルーニー・マーラが最高です。辛い物語ですがラストにはほっかりな💗驚きも。お勧めです。