Disney+で見ました。
アイルランド沖のイニシェリン島。住民が皆顔見知りという、小さな島での物語です。(ストーリーに触れますが、この映画の価値はそういうところではないと思いますので。)
オープニングの島の風景が美しくて息を呑みます。この映画は、あの「スリービルボード」の監督作品だという事だけで見たいと思い、一切前知識無しだったので、すべり出しに感動でした。ただし気持ちよかったのは始めだけ😨![]()
まず登場した男性が・・・・美しい風景にそぐわない感じでせかせかとどこかへ歩く。黒っぽい服装のこの人物、一目でイヤな奴認定wwww
ユーリの独断と偏見?もしくはコリンファレルの演技力。
結局この最初の雰囲気通りで、物語は彼が長年の年上の友人から突然絶交を言い渡される、納得のいかない彼はしつこく復縁を迫る、友人のほうは彼のしつこさがいやで、ついには、これ以上関わろうとするなら、自分の指を切り落とすと言い出す・・・・・![]()
見ていて気持ちよい作品では全然ありません。状況は切迫していき、一体どうなるのだろうとドキドキしながら見ました。そういう意味ではとても引き込まれて面白く見ましたが。凄い映画です![]()
思ったこと2つ。 (あ 多分ダラダラとなりそうw 自己用メモレベルですので、どうぞもうスキップでm(_ _)m)ありがとうございました。
その1:人はそれぞれ皆違う。
あたりまえの事ですが、意外とわかっていないかも。自分中心の見方になりがちだと思います。
作品中、コリンファレル扮するパードリックに絶交を告げたコルム。もう老年に近くなっていて、これからの人生の時間を大切にしていきたいと思う。パブでだらだらとパードリックと時間を潰すのはもうやめる、好きな音楽にこれからは没頭したい。そう伝えれば友はわかってくれる、と思った。のかも。
一方のパードリック。それは・・・嫌だ、少しくらい自分に時間を割いてくれてもいいだろう。
それは普通の考え。でもコルムは言わば人生の岐路に立って、大きな決心をしたのだ。1分の時間ももう無駄にしたくない。だから友に告げる、もしこれ以上自分に近づいたら・・・・。
そこまで言われれば絶交するのが普通?あきらめきれないパードリックがおかしい?
村上春樹に「色彩を持たない多崎つくると彼の巡礼の年」という小説がありますが、主人公はある時親友達から突然絶交されて悩みます。ここでは理由も告げられずに、なので映画とは違いますが、彼の受けた打撃は彼を死の一歩手前まで追い込むほどのものでした。「なぜそんな?納得がいかない、なぜ?」
コルムは指を切り落としたりしないでもわかってもらえると思った。一方パードリックは復縁してもらえる、とあきらめなかった。
「人生は死ぬまでの暇つぶし」(パドリック)な人とそうではなくなった人、の話です。
長くなりますが、人の思いはそれぞれ違うっていうのは、けっこう大切な真理だと思います。ユーリは高校3年間プラス中学の、人生最大の読書時期
にあらゆる本を読んでww 卒業時に得た結論でした![]()
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だから価値観も違う、唯一無二の真理は無いと。例えばひとを殺めてはいけないとかまで含めての事です。状況倫理的というか。
なので例えば中国は今だに中華思想で動いている部分が大きいし、プーチンは侵略している気などもうとう無く、国民や民族を守る為に正義の戦いをしていると。驕りとか方便ではなくマジで多分。
この映画はアイルランド沖の島が舞台で、海の向こうから本土の砲弾の音が聞こえてきたりします。アイルランド紛争の真っ只中の話です。
人や国の争いはいつも、自分は正しいと思い込むことから生じると思います。究極の正しさは、無い、と思っています。あるのは、損得、力関係、好き嫌い、習慣、そういったものから来る思い込み。
なので、「正しさ」なるものをもし求めるとしたら、客観的に何とか幸せに向かう為の妥協案、そして取りあえず相対的ではあるけれどみんなで決めた「法律」。それくらいしか無いのでは。
理屈っぽく沢山書いてしまいましたが
  え~思ったこと2つの内のもうひとつを書きます![]()
 こちらは短くw
登城人物への好き嫌い、皆さんの意見に興味があります。これは監督の「スリービルボード」を見た時もすごく思った事。
「川を渡る女性」の心理テストってあるじゃないですか、あの感じで、いい悪いではなく好き嫌いで。
ユーリは大嫌い1位・パドリック、2位・神父・・・。 逆に、サイテーに見えていて後で何だか心に残った、つまり好きだったのがドミニクという若者。
というわけで、突っ込みどころ無限、といいたいくらい深くおもしろい映画でした。でも実は見るのがキモ怖い映画でもあります。ほんとにブルブルなヾ(。>﹏<。)ノ作品でお薦めは憚られるレベルかも。
でも不思議にとても好きな映画です。この監督さんの作品はこれから全部見たいなと思っています。