SF作家ブレイク・クラウチの呼びかけで6人の人気作家達が書きあげたアンソロジーです。テーマは、急速に進む最先端技術の今後。執筆陣が豪華だったので読んでみました。
「夏の霜」ブレイク・クラウチ
個人的に一番好きだった作品。仮想空間で暮らすゲーム要員だったAIが、ディープラーニングで進化を遂げてついには・・・・。こういうのを読むと、人類も何やら高位の存在者によって作られたもの、ではないという保証は無い!と思ってしまうのです。
「エマージェンシースキン」のN・K・ジェミシンは大傑作「第五の季節」の作者です
滅亡した地球を離れて別の天体で生きてきたエリートたち。地球のその後を調べるために送られた男は、超絶ハイテクのコンポジットスーツに包まれ、脳には集団的知性が埋め込まれている。無敵だ。しかし、絶滅したはずの地球に人間たちが生息していたのを発見して・・・焦る、なぜこんな無能な奴らが。
本作はヒューゴ賞ノヴェレット部門賞を授賞しています。
「方舟」ベロニカ・ロス、デビュー作の「ダイバージェント」は映画も大ヒットしました
地球は2か月後に惑星衝突で消える運命にある。あらゆる標本、遺伝物質を収集して、人類はもうすぐ地球を離れる。これはSF的アイデアよりも、詩的で美しい作品でした。”どんな人間であろうと、人生はもとより恐怖に満ちている。永遠に失われないものなど何もない。”
「乱数ジェネレーター」のアンディ・ウィアーの「プロジェクト・へイル・メアリー」は超お薦め作! 「火星の人」も映画がヒット
舞台は近未来のラスベガス。量子コンピュータによって、カジノでは乱数システムが破られる恐れがでてきた。更なる高性能量子コンピュータで対抗するが、思わぬところに超絶天才の人物がいて・・・。カジノ経営者と技術者のやりとりが、特にどこも凄くないのにやたら楽しい♪のはやっぱりこの作者の特徴だと思います^^
他に
「目的地に到着しました」エイモア・トールズ
「最後の会話」ポール・トレンブレイ
全6編、短編なのでダイナミックなSFのおもしろさ、とは行かないかもしれませんが、どの作品もむしろ人の生き様やこの社会のことなども考えさせられるような、いい作品だと思いました。
では次行きます!
また楽しみなSFがユーリを待っている😍😍😍