完璧な幻想の世界。 いやー面白かったですあせるあせる

 

20~30ページほどの短編が13篇。どれも短いのに、読んでいるとどれもが長い物語のように感じられてしまう。

長ったらしいとかではなくて、その描かれる世界と目くるめくストーリーがあまりに奇妙で壮大で、一筋縄ではいかない展開にクラクラしてしまうほどww

 

好き嫌い分かれるでしょうね。個人的にはこれぞまさしく小説!言葉によって創られる世界。

鑑賞するためにあなたの目の前に差し出された物語、ではなくて、もしかあなたの中に入り込んでしまうひとつの魔力。

今見ている世界、あなたが存在しているこの世界が揺らいでいく?変わって見える?あるいは「本当の現実」を見せてくれるかもw

 

 

「ファンタジー作家の助手」より

〝自分がなる必要のある人物になる方法を教えてくれるのでなかったら、フィクションのまやかしにどんな効用があるだろう?”

 

〝勇気を持て。生の最後の一滴まで絞り出せ。そして名誉とともに生きよ”

 

 

一番好きだった「創造」 (世界幻想文学大賞受賞作です)

教理問答書で神がアダムを創造したことを習った少年が、森に行って自分も作ってみる。古い丸太や枝や茸を使って体を作り、キャバノーと名付けて命を吹き込む。

おずおずと歩みを始めるキャバノー。その運命は?

これ・・・泣きましたww   しょぼん汗

ある読者にとっては、空想好きな少年とそれを見守る父親の愛情物語なのかもしれない。(多分そういう話w )

でもユーリにとっては・・・・・

この世界の創造の秘密の物語でしたあせる  わずか17ページで語られる深い真理ww

 

 

初読みの作家さんですが、高い評価を得ている長編作品もいくつかあるようなのでぜひ読んでみたいです。