暗幕のゲルニカ/原田 マハ

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ピカソの反戦の大作「ゲルニカ」が表紙カバーに使われています。

この絵が描かれた1930年代のパリと、2003年頃のニューヨーク、スペインを舞台に、交互に「ゲルニカ」とそれをめぐる人々の物語。

戦争を憎み、魂を込めて「ゲルニカ」を製作するピカソ。愛人や支援者たち。

いっぽう現代のニューヨークでは、NY近代美術館のキュレーターがスペイン不出のこの名画を何としてもニューヨークに借り受けて展示しようとしていたが、絵を狙う謎のテログループもいて・・・。

という史実をもとにしたサスペンスタッチの物語です。

ピカソという天才の生き様や、戦火の迫るパリ、芸術の持つ力、芸術をめぐる人々の情熱等など、なかなかおもしろく一気読みでした。

ただ。たぶん重要ポイントの「芸術は戦争と闘う」という事についていえば、歌人「鳥居」さんが「芸術は生きる力」と語っているほどには心に沁みなかったというか・・・(フィクションとリアルを並べるのもアレですけどww)

芸術の香り高い上質のエンターテイメントというところでしょうか。



ところで作中、この絵を忠実に模したタペストリーが国連本部に展示されていてこれに暗幕がかけられる・・というところからこの小説のタイトルになっているのですが。

このタペストリー、当時ピカソ自ら監修して作らせたというホンモノです。

3枚製作されて、NYの国連本部、フランスのどこかのww美術館、そしてもう1枚はなんと!!

群馬県の県立近代美術館所蔵なんですって叫び叫び合格クラッカー合格

美術館のHPに「3番目のバージョンである」ってさりげなく?書いてありましたwwww叫び


すごいなー群馬県!!