アカガミ/窪美澄

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あまり楽しい本ではなかったけどwww窪美澄氏の新刊となるとどうしても見ておきたくなります。

「アカガミ」・・赤紙というのは戦時中の国からの召集令状で、これが来ると出征しなければならなかった。死をもいとわず国を守りなさいという命令書。

2030年頃を舞台にしたこの小説の「アカガミ」は、やはり国のつくったシステムですが、ここでは命を産み出し育みなさいという命令です。

命令といっても強制ではないですが。

若者の結婚離れがひどく日本の人口は減るばかり。結婚どころか恋愛もしない他人と交わらない、生きる目的も何の願望も無い。当然のように若者の自殺率がはね上がっていく。国は何らかの対策を迫られる。それで「アカガミ」。

主人公の女性ミツキも恋愛とは無縁。生きている意味が見いだせない。いちど自殺未遂。

いろいろあってwwwアカガミによってサツキという男性とパートナーになり、赤ちゃんを・・・という物語です。

250ページの中編。窪氏のずっしり重暗い小説を愛読してきたユーリには短編のように感じましたwww

けっして軽いとかいうことではないです。ただ・・短いwwwww すみません、メチャ個人的感想です叫び

おもしろい作品です。ちょっとサスペンス風味もあるし。田舎出身のサツキがすごくやさしくて純粋ぽくって朴訥で(多分イケメンでw)、こんな若者実際いるの??という感じさえしましたが。

ラストで満足宝石ブルー この好青年がいてこそのエンディングでした!! 


短い作品と書きましたが考えさせられる事も多くて。

たとえば文中より「子宮は子どもを産むためにあると思うわ。その機能を使わなかった人間はね、・・・」以下省略叫び

べつに窪氏の意見ではなくて、物語上のセリフですけどww でも前作の「さよならニルヴァーナ」もけっこうキツイ小説だったと思うのですが、今回もいっぱい批判がでてきても不思議はない表現が・・・・。

「恋愛や出産や子育てに費やされなかった時間を甘くみてはいけない(略)その時間が全部自分だけに向けられたとき女は・・・」以下省略叫び

これはでも、国側に雇われたヒトのせりふですからねあせる

命とひきかえに国を守れという「赤紙」、命を産み出しつなぐための「アカガミ」。強制。義務。国家というもの。短い作品ですがいろいろ考えさせられました。