第一篇 幽界の探検  霊界の修業 〔五〕 | フリーランス宣伝使への道

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霊界には天界と、地獄界と、中有界(チウウカイ)との三大境域(サンダイキョウイキ)があつて、天界は正しき神々や正しき人々の霊魂の安住する国であり、地獄界は邪神(ジャシン)の集まる国であり、罪悪者(ザイアクシャ)の堕(オ)ちてゆく国である。

そして天界は至善(シゼン)、至美(シビ)、至明(シメイ)、至楽(シラク)の神境(シンキョウ)で、天の神界、地の神界に別れてをり、天の神界にも地の神界にも、各自三段の区劃(クカク)が定まり、上中下の三段の御魂(ミタマ)が、それぞれに鎮(シヅ)まる楽園である。

 地獄界も根の国、底の国にわかれ、各自三段に区劃され、罪の軽重、大小によりて、それぞれに堕ちてゆく至悪、至醜、至寒、至苦の刑域である。

今自分はここに霊界の御許しを得て、天界、地獄界などの大要を表示して見やう。



 
霊界の大要(タイヨウ)は大略前記のとほりであるが、自分は芙蓉仙人(フヨウセンニン)の先導にて、霊界探険の途(ト)に上ることとなつた。

勿論身は高熊山(タカクマヤマ)に端坐(タンザ)して、ただ霊魂のみが往(イ)つたのである。

 行くこと数百千里、空中飛行船以上の大速力で、足も地につかず、ほとんど十分ばかり進行をつづけたと思ふと、たちまち芙蓉仙人は立留(タチトド)まつて自分を顧(カヘリ)み、

 『いよいよ是(コレ)からが霊界の関門である』

といつて、大変な大きな河の辺(ホトリ)に立つた。

一寸(チヨツト)見たところでは非常に深いやうであるが、渡つて見ると余り深くはない。

不思議にも自分の着てゐた紺衣(コンイ)は、水に洗はれたのか忽(タチマ)ち純白に変じた。

別に衣服の一端(イッタン)をも水に浸(ヒタ)したとも思はぬに、肩先まで全部が清白(セイハク)になつた。

芙蓉仙人とともに、名も知らぬこの大河(オホカハ)を対岸へ渡りきり、水瀬(ミナセ)を眺めると不思議にも水の流れと思つたのは誤りか、大蛇が幾百万とも限りなきほど集まつて、各自(テンデ)に頭をもたげ、火焔(クワエン)の舌を吐いてをるのには驚かされた。

それから次々に渉(ワタ)りきたる数多(アマタ)の旅人らしきものが、いづれも皆大河と思つたと見えて、自分の渉つたやうに、各自に裾(スソ)を捲(マ)きあげてをる。

そして不思議なことには各自(カクジ)の衣服が種々の色に変化することであつた。

あるひは黒に、あるひは黄色に茶褐色(チャカッショク)に、その他雑多(ザッタ)の色に忽然(コツゼン)として変つてくるのを、どこともなく、五六人の恐い顔をした男が一々姓名を呼びとめて、一人々々に切符のやうなものをその衣服につけてやる。

そして速く立てよと促(ウナガ)す。

旅人は各自(テンデ)に前方に向つて歩を進め、一里ばかりも進んだと思ふ所に、一つの役所のやうなものが建つてあつた。

その中から四五の番卒が現はれて、その切符を剥(ハ)ぎとり、衣服の変色(ヘンショク)の模様(モヨウ)によつて、上衣(ウハギ)を一枚脱(ハ)ぎとるもあり、或(アル)ひは二枚にしられるもあり、丸裸にしられるのもある。

また一枚も脱ぎとらずに、他の旅人から取つた衣物(キモノ)を、或(アル)ひは一枚あるいは二枚三枚、中には七八枚も被(キ)せられて苦しさうにして出てゆくものもある。

一人々々に番卒が附(ツ)き添(ソ)ひ、各自(カクジ)規定の場所へ送られて行くのを見た。






 
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