映画「人生の特等席」(監督:ロバート・ロレンツ)を観て
歳のため緑内障により視力が低下してきた、大リーグ名スカウトのガスと、疎遠だった有能な弁護士の一人娘ミッキーが、ベースボールを通じて、空白の時間を埋める物語
「グラン・トリノ」以来4年ぶりの出演となる本作では、監督業はせず、19年ぶりに役者に徹するCLINTさん
冒頭から小便がでないわ、テーブルにはつまづくわ、ガレージにマスタングをぶつけるわ、散々なガスは、何年後かの自分を見ているかのようだ。
そして、父親にそっくりな性格の娘ミッキーは、AMY ADAMSが演じているが、これが何とも魅力的だ。
さらに、かつてガスにスカウトされたが、肩を壊し、今ではライバル球団でスカウトをしているジョニーを歌手のJUSTIN TIMBERLAKEが演じる。
ガスの親友役のJOHN GOODMANも良い味を出している。
何故、ガスが何年もの間、ミッキーを親戚の家に預け、連絡をしなかったのか、全ての理由が明かされるシーンは、涙なしでは見られない。
父親が思う「三等席」だと思っていた父親のそばが、実は娘にとっての「特等席」だったという皮肉。
映画のラストでは、気持ちの良い逆転グランドスラムを、2回も見せてくれる。
ミッキーが「YOU ARE MY SUNSHINE」を歌うシーンも良い。
映画では、Carly Simonの「YOU ARE MY SUNSHINE」へと切り替わる。
エンディングには、RAY CHARLESの歌う「YOU ARE MY SUNSHINE」が使われている。
最後に、ミッキーが事務所と連絡を取っていた携帯をポイとゴミ箱に捨てるシーンで、CLINTさんの出世作「ダーティハリー」での警察バッジを捨てるラストシーンを思い出したら、あなたは立派なCLINTさんのファンである。