今日新たに、

18道府県からの要請に基づき、 蔓延防止等重点措置が適用されることとなりました。


言葉を交わす方々の間にも、

「先行きが見えない」

との声が方増えてきました。


こういうときに大切なのは、

「先行きの、目安」を

持つことだと思います。

 

有志が集まった、ビッグデータ解析チーム

「CATS」。

そのチームで試みた、今回の陽性者数の予測が、

写真1枚目です。


2月1日〜9日頃には、

ピークアウトを迎えることを、予測しています。

今後この予測は、毎日夕刻、

アップデートをしていきます。

 

感染症対策と経済対策を、

ゼロサム(どちらかを重視すると、そのどちらかが傷つく、プラスマイナスが0となる組み合わせ)ではなく、プラスサムにするための、バランスとれた議論の基礎を創れないか。


今後の感染症の動向を分析して、

「いつごろピークアウトするのか」を予測し、

国民や経営者に、

「いったいいつまで我慢すればいいのか、数週間なのか数数ヶ月なのか」

の【今後の見通し】を示すことで、

合理的な判断ができるようにできないか。


それを目指すべく

集まった仲間たちで創り上げたのが、CATS。

 

分析には、民間企業が持つ【ビッグデータ】が必須であり、この試みに御理解をいただき、その協力を募るところから、仕組みづくりを続けてきました。


第5波の時には、いわゆる「専門家」と言われる研究者の皆さんが、「感染者が増え続ける予測」ばかりであった7月半ば。


そのときに、すでに8月半ばのピークアウトを予測できた(写真2枚目)ため、政府や経団連への提案をして来ました。

 

感染症の増減には

パターンが見て取れます(写真1枚目)。


数が少なくとも増加率の高い、

拡大期(グラフ上の、フェーズ①)。


数が増え、社会的には不安が募るが、

増加スピードは落ち始める、減速期(フェーズ②)。


数は多くとも、増加率が減少局面に入る、

上昇終盤期(フェーズ③)。


依然として数は多い一方、

減少スピードも鈍化する下降序盤期(フェーズ④)。


ここに至って、陽性者数は減少期に入ります。

 

フェーズ②(すなわち、現状)では、

何が最重要か。


フェーズ③時の「最大化した陽性者数」を視野に入れた、医療キャパシティの維持(重症病床数及びスタッフの維持のみならず、各種検査や診断のキャパシティ確保)。


そして、経済/社会活動の

下押し力の把握が最重要となります。

 

フェーズ④に入れば、

経済再活性化への準備が必要です。


過去5回とも、

重症者数→死亡者数のピークは、

陽性者数のピークから1月半後です。


しかしこれまでは、

少なくとも重症者数がピークアウトするまで、

「経済再活性化」は議論をすること自体が

タブーのようになっていました。


しかし、このパターンが一定である蓋然性が高い

(オミクロンの重症化の確率が、これまでと比較にならぬほど低いのであれば、なおさら)のであれば、

2月上旬には、感染症対策に留意をしながらも

「日常へ戻る」べきでしょう。

 

今回の感染拡大局面は、「感染症対策」も含めた、「社会対策」の視点で挑む必要があります。


これまで、「予測」と言えば、

陽性者数が「増える」という予測だけでした。


一方で、経済側の発信は、「いかに事態が大変か」に留まっていました。


「経済活動を再開すると、陽性者の増減にどのような影響を及ぼす可能性があるのか」や、

「どうすれば合理的に感染症対策と共存できるか」

といったことの解明に、

【持てる力を合わせて、ともに乗り越えよう!!】

という動きもなかなか出てきませんでした。

 

大企業に話をしても、

社長レベルでは「良い話ですね!」という反応。

でも、話が具体的な段階になるほど

「難しいですね…」と止まってしまいました。


今回は、ある民間企業のデータを自由に使わせていただくことで、さまざまなことが見えて来ました。


多くの企業の持つ、日次や時間単位のデータも併せて使えば、もっとさまざまなことが、わかります。


その上で、適切な方向性が社会に示すことができるのみならず、

ともに困難を乗り越える力も創り出せることを、今回の取り組みを通じて確信しています。

 

“We must all hang together; else we shall all hang separately.”

[我らは団結しなければならない。さもないと、個別に首を吊るされる(各個撃破される)であろう]


George Washington

 

日本社会の底力は、まだまだ温存されています。

 

 

追伸


陽性者予測/社会分析を、

日経の株式会社QUICKさん経由、

世間に発信して行くこととなりました。


毎日夕刻に、最新のデータを取り込んで予測を示して行きます。


ちょっと先を示す

「定点観測(「今年の夏は、冷夏/酷暑になりそう」みたいな、先の見通しを得るためのもの)」に対し、

「今日は雨、降るのかな?」的な、

「こういう情勢だから、ちょっと警戒した方がいいねぇ」と判断できる、「天気予報的」な情報提供をして行きます。


これまで世の中に出ていた「予測」って、一回出したきり、更新されなかったので、状況が改善してきても、「何十万人」って数字だけが一人歩きしていました。


みんなが一所懸命がんばっている、ということが

「状況が改善している」というデータで見られるようになったり、

状況が悪くなり始めたときに、

「そろそろ気をつけようか」と、判断ができるようになることには、意味があると信じています。


日本社会は、

そういう判断を適切にできる力がある!