印刷技術 教え方 | 1級技能士・成田の印刷技術

1級技能士・成田の印刷技術

1級技能士・成田が、オフセット印刷技術を解説します~。

先日、沖縄の方からメールを頂きました。お名前は「北銘」さん(仮名)。

沖縄は難しい苗字が多いので、これも、チョッと読めないですよねぇ~。

そこで、改めてお伺いすると、「『銘』は、メイではなく、『メ』と読みます!」

 

・・・って、オイ!それだけかよォ~(笑)。なんで、全部、教えてくれないの?

普通さぁ「成田」ってどう読むんですか?って聞かれたら「ああ、成田空港の

成田ですから、普通にナリタって読みます」とか答えません?それをさぁ~、

「『田』は、デンではなく『タ』と読みます。以上。」 みたいな教え方します?

 

結局、「ホクメさん」なのか、「キタメさん」なのか、はたまた「ペイメさん」

なのか、未だに真相は謎のまま。 ・・・自分は分かっている事を、他人に

教えるのって、ケッコウ難しいですよね。自分にとっては普通の事なので、

他の人にとっても、普通なのだと思い込んだりしてしまいます。

 

でもね、初めて聞く私や、まだ若く、経験年数の浅い人にとっては、その

「普通」ってヤツが、決して「普通」では無いって場合が多いんですよ~。

教える側にとっては、普通の常識なので、そこの説明は省いて、次の

部分の解説をしてしまう。だけど、初めて聞く私や、初心者にとっては、

その省かれた部分が理解出来ていないから、先に進む事が出来ずに、

その場で、足踏みをしてしまう。

 

最初の部分が、まだ理解出来ていないのに、次の部分の解説をされても、

こりゃ全く理解不能ですよね。・・・私が、印刷会社さんに、お邪魔させて

頂いて、「技術セミナー」等をさせて頂く場合も、これと同じ事が、ケッコウ

発生してしまいます。受講者の方は、ベテランさんから、新卒の新人さん

まで、いらっしゃるワケですから、どこにレベルを設定するかが難しいです。

 

ベテランさんにとっては、「そんな初心者向けの話は、もうイイから~」とか

思ってしまうし、新人さんに高度な講義をしてもチンプンカンプンですよね。

そこで私が講義をする場合は、いつもターゲットを絞るようにしています。

 

「今日、この中で一番、若い人、手を挙げて~」とか言って、新人さんを

明確にし「今日は君の為に講義をするからね。いろいろ質問するけどさぁ、

君が答えられなくても何の問題も無いから安心して。質問に答えられない

のは、君が悪いんじゃなくて、それを教えていない、君の上司が悪いん

だからね (^^)v 」 なんて事を、よく言っています。

 

こんな前置きで講義が始まると、ベテランさん達もハラハラですよね~(笑)。

「おいおい、そこ教えただろう。キッチリ答えろよ~」とか、「ヤッベェ~、そこ

全く教えてないわ~(汗)」とかね。たまに、ベテランさんが、間違った事を

教えていたりすると、こりゃもう、そのベテランさんを徹底的にイタブリます。

 

あ~らら、そんな間違った事、教えちゃったの。あッ!そうか、新人さんに、

キッチリ教えて、新人さんが自分よりもメッチャ上手に成っちゃったらさぁ、

自分の印刷機を取られてしまって、自分の居場所が無く成ってしまうもん

ねぇ~。分かるッ!分かるわ~、その気持ち。職を失ったら、カミさんから

何を言われるか分からんもんねぇ。そりゃ、何としても回避せにゃねぇ~。

 

こんなメッチャクチャな冗談を言って、ギャハハハと笑って頂ける現場さん

ってのは、本当に良い現場さんだと思います。こう言う所ではね、講義に

対する質問も、たくさん頂けます。「先ほどのエッチ液の組成に関する内容

なんですが・・・」 あッ!あ~ッ!さっきイタブラれたんで、「オレは、こんな

難しい質問も出来るねんでぇ~」みたいな名誉挽回を狙ってるでしょう(笑)

「ありゃりゃ、お見通しですか~」 ギャハハハ~。

 

現場の人達が集まって、みんなで勉強するとか、みんなで同じ課題に

取り組むなんて事は、社内だけでは、なかなか出来ない事と思います。

私のような、外部の先生、みたいなのが一人居ると、そうした事が結構、

楽に出来たりします。コロナ禍で、出張も出来ず、大勢を集めたセミナー

の開催等も難しい状況です。しかし各会社さん単位ならば、まだそれも

出来るのではないかと思います。

 

12月の繁忙期が過ぎて、少しヒマに成って来たら、勉強会やりましょう!

「ウチは、人数が少ないからなぁ」って場合は、近隣の印刷会社さんも

誘っちゃいましょう。・・・ただしです。無料で講義をするワケにも行きません

から、講義の最後、30分位は、当社の製品の宣伝をさせて下さい。

こうすれば、当社製品の売り込みに行った。って事で、全てOKです(^^)v

あ、でも、出来ればウチの製品を購入して頂ければ、もっとイイです(笑)。