印刷技術 水飛び | 1級技能士・成田の印刷技術

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1級技能士・成田が、オフセット印刷技術を解説します~。

印刷クレームって言うのは、こりゃまぁ、いろいろ有るんですが、とにかく厄介

なのが、スポット的に発生するトラブルですよね~。例えば、印刷してる時の、

オペレータの行動を考えてみて下さい。見当合わせや、色合わせが終了して、

印刷を開始したら、その後は、完全放置! なんて事はありませんわね。

 

印刷中も、500枚ごとに1枚とか、必ず抜き取り検査ってのをやってますよね。

例えば、その抜き取り検査で汚れを発見した。その前の抜き取りには無かった

汚れなので、汚れを解消させた所に、間紙(あいし)等を入れておいて、その

下の部分を、後から、検品して不良個所を抜き取ってやれば終了ですわね。

(あ、品質検査カメラとかが無い場合の話ね)

 

スポット的に発生するトラブル。例えば、「水垂れ」、「油垂れ」、「パウダー垂れ」

なんてのは、こりゃ、3枚から多くても10枚程度が連続して出たら、もう終わりっ

て言うトラブルだから、メッチャ発見し辛くて、しかも、発生すればシロウト目でも

一目瞭然なトラブルなので、大きなクレームに成ってしまう事も有りますよね。

 

昔、学習塾の問題集とか、テスト問題なんかの印刷をさせて頂いていて、その

テスト問題で、油垂れが発生してるのを気付かず納品してしまいましてね~。

問題文章の肝心な文字が油で抜け落ちてしまってて、大クレームに成りました。

 

水垂れ、油垂れ、パウダー垂れなんてのは、1枚づつ全数検査でもしないと、

発見する事が出来ませんよね。特に、今のような湿気の多い梅雨時とか、夏の

暑い日なんてのは、結露が発生しやすく、それが水垂れ、水飛びに繋がり易い

ので、細心の注意が必要ですわね。

 

んじゃ、これらに対して、具体的には、どんな注意をしたらイイか?って話

なんですが・・・。水垂れ、水飛びなんてのは、湿し水関連の部分で発生し

やすいですわね。湿し水は冷却されてるから、断熱材(水舟の所とかに

貼ってある黒色とかのスポンジみたいなヤツ)が、剥がれてしまってたり、

破れてしまってたりすると、そこから、ポタンッと、水垂れが発生します。

 

油垂れも、例えば、ローラー部の所に付けられている、金属性の受け皿とか、

そんな所に、機械油や、グリスの溶けたのとか、ローラーの洗浄油とかが、

溜まってて、それが溢れて、ポトリって感じが多いかと思います。

 

パウダー垂れも、そうなんですが、要するに、どれだけ印刷機を、キレイに

保つ事が出来るかって話なんですよ。例えば、水舟の下とか、インキ部の、

金属トレイの下とかさぁ、放置しておけば、どんどん汚れてしまって、そんな

汚れた部分に、自分の手を突っ込むのは、イヤですよね。

 

1日の仕事が終わったら、印刷機をキレイにしてやるって言うクセを付けて

おけば、そうした汚れやすい部分を、キレイに保つ事が出来ます。キレイなら、

機械を完全停止させてから、その部分を手で触ってやる事も容易です。手で

撫でてやれば、結露しそうな所とか、油が溜まってしまっている所とかって、

すぐに分かりますから、そんな部分をウエスで拭いてキレイにしてやればOK

です。  トラブルの発見、それはまず、「5S」 から!ってヤツですよね。