印刷技術 高感度UVトラブル | 1級技能士・成田の印刷技術

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1級技能士・成田が、オフセット印刷技術を解説します~。

仙台での展示会、皆さん本当に、ありがとうございました。

とても涼しくて、暑い京都に帰るのがイヤに成るほどでしたわ~。

半袖では寒いくらいで、上着が欲しく成りました。メチャ快適でした(^^)v。

 

展示会の最中、一人の方が、自社で刷られた印刷物を持って来て下さいました。

高感度UVの印刷物で、咬の部分に薄汚れが出てしまっており、これを取るため

には、どうしたら良いか?と言う、ご質問を頂きました。

 

私も、その咬の薄汚れで、ずい分、苦労しました。いろんな人に聞きましたが、

「あれは出るのが当り前だから、ウチでは、絵柄を咬尻に振って、あの薄汚れが

出てもイイように対応してる」って人も居ました。絵柄全体を、1.5cm くらいケツに

振ってやれば、咬の薄汚れが入らないように、回避出来るってワケですわね。

 

紙に余裕が有る時は、それも対応策かも知れませんが、余裕が無い場合には、

何とも成らなくなってしまいます。・・・この薄汚れは、湿し水を少々、多目にして

やれば消す事が可能です。んでも、この汚れのためだけに、水を多くするなんて

ことは、こりゃ、やりたくないワケでして。

 

そうやって、「水を極限まで絞りたいッ!」と思い、実行している人だけが悩む事に

成る薄汚れなのですが、私の場合はエッチ液の選択で解消する事に成功しました。

どのエッチ液がイイ!とかってのは、非常に難しいです。工場環境や、メンテ状況、

はたまた、その工場の水質なんかでも、合うエッチ液が変わって来ると思います。

 

いろんなエッチ液を試してみました。中には、「おッ!これイイじゃん!」と喜んだら、

調量ローラーがメッチャ絡む!なんてのも有って、その選択には、様々な角度から

の検証が必要に成るかと思いますが、自分の印刷機にベストマッチのエッチ液に

出会うと、その瞬間から、印刷が思いっ切り楽しく成ります。

 

「材料の選択は技術者の第一歩」だと思っています。「弘法、筆を選ばず」なんて、

スゴイ言葉が有りますが、それはあくまでも、芸術の世界。我々は芸術ではなく、

とてもシビアな、ビジネスの世界で生きています。会社に利益をもたらし、自分を

「必要不可欠な技術者」だと認めてもらえなければ、ビジネスの世界では生きて

行けません。

 

ビジネスの世界ですから、全ての物が、自分の思い通りに行くワケでは有りません。

当然のように、様々な制約が付きます。その許される範囲の中で、物の良し悪しを

正確に判断し、常に的確な「ベスト」をチョイスする事が、我々、技術者に求められる

最低条件だと考えています。

 

明日から、中国地方、九州へ出張です。今週一杯は、ブログの更新が出来ない

かと思います。また来週から、宜しくお願いしますッ!