印刷系の専門用語って、いろいろ難しいですよねぇ~。
トラッピング、ミスチング、ブロッキング、モットリング、パイリング・・・。
多くの物に、~ing が付いてるのが特徴と言えば特徴なんですが。
昔から、よく書いてるのですが、どんな業種にも、その業界独特の
専門用語ってヤツが存在します。コイツらを覚えないと、その業界で、
仕事が出来なく成ってしまうので、皆んな必死に覚えるワケですわ。
例えば、テレビの業界なんて本当に独特です。
「成田君、そこで笑って」って言われれば、誰でも、その場で笑う演技を
しますよねぇ。んでもね、テレビスタジオで「笑う」ってのは、「退場しろ」
とか、物を「どかせ」って意味なんですわ。「その机、笑って」ってのは、
「その机、片付けて」とか、「どかして」って意味なんですね。
こうした独特の言い回しには、過去に様々な経緯が有るのだろうと思い
ますが、こいつらの場合は、専門用語と言うより、「符丁」のような世界
なのではないかと感じますね。
印刷業界での専門用語ってのは、多くの場合、それを説明していると、
超長い話に成ってしまうので、その超長い話を集約した形で、用語に
している事が多いんですわ。例えばね・・・。
「印刷しててさぁ、紅と黄の咬尻だけが、小さく出てしまって、ケツのトンボが、
墨の内側に入るから、ケツの見当が合わなくて困るわ~」 なんて話・・・。
これ「ファンナウト」ってヤツですよね。この「ファンナウト」って言う専門用語を
知っていれば、「ファンナウトで困ってるわ~」と言えば、長々と説明するまでも
なく、簡単に、全て通じてしまうんですよね。
例えばですよ、「梨」って言う名前を知らなかったら、「あの、なんて言うか
知らないんだけど、リンゴみたいな形でさぁ、色は黄色っぽい褐色みたいで、
表面がザラザラっぽくて、味はチョッと薄味なんだけど、あれって瑞々しくって
美味しいねぇ」・・・なんて長い話に成ってしまうんですが、「梨」って名前を
知っていれば、「梨って、瑞々しくて美味しいね」で、終わりますよね。
「藍ベタの上に、紅のベタインキが、キレイに乗らなくて困ってるんだよ~」
って言ってもイイんですが、これを私に相談されると、・・・この人、あんまり、
知識が無い人やなぁ。1+1の初心者コースから説明せにゃアカンか~って、
成ってしまいますが、これを「藍紅のトラッピングが悪いんですわ~」って言わ
れれば、「今のエッチ液は何%?」なんてレベルから話が出来ますよね。
印刷技能検定の学科試験で、1番最初に覚えなきゃ成らないのが、専門用語
なんですわ。特に印刷技術系の専門用語は、メチャメチャ沢山有ります。
んでもね、専門用語ってのは、その一つ一つに、充分な意味が有って使われて
いるので、これは、その道のプロに成るための登竜門だと思って、シッカリ覚え
てやって下さいな。
印刷技術系の専門用語が沢山有るって言ってもね、デジタル製版の世界に
比べれば、微々たるもんなんですよ。印刷技術系は、例えばパイリングって、
まだこりゃ、何となく「言葉」に成ってるじゃないですか。デジタル製版とかの
世界ってね、「PDF」だとか、「dpi 」だとか、「eps 」とか「svg 」とか・・・。
三文字アルファベットのオンパレードで、専門用語と言うより、暗号みたいな
状態ですもんねぇ~。ありゃ、60過ぎのオッサンには、暗記不能な異次元の
世界ですわ~(笑)。