印刷技術 胴仕立て | 1級技能士・成田の印刷技術

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1級技能士・成田が、オフセット印刷技術を解説します~。

「胴仕立てって、印刷機の取説に書いてある通り、カットダウンの深さに

 応じて、何mm のブラン下を入れるか?って事でイイんですよねぇ~」

・・・まぁ、おおまかには、それでイイよ。

 

でもね、正確には、何mm のブラン下を入れるか?って考えるよりも、

基準面と成る「ベアラー」から、何mm オーバーしたか?って考えるべき

なんだよ。だから、パッキングゲージ(シリンダーゲージ)を必ず使って、

それで、オーバーベアラー量を計測して調整するってのが、正しい

胴仕立ての方法なんだ。

 

「あの、ベアラーって何ですか?」 ・・・エエッ!ベアラーを知らないのッ!

名古屋の東山動物園に行ってみ、いつも寝てばかりだけど、本物を見る事が

出来るからさぁ。「いやいや、それ『ベアラー』じゃなくて『コアラ』ですよねぇ~」

 

 ・・・アカンッ!突っ込みが早過ぎるッ! 「そうそう!ユーカリとか食ってる、

真ん丸の熊みたいなヤツで・・・って、それ『コアラ』ですやん~」くらいのこと、

ゆ~てみぃ。ああ、コイツ、デキるな!って、思われるでぇ~(笑)。

 

「いや、ですから『ベアラー』って?」・・・ここまで冗談で攻められたら、もう、

オレの言う事、信じられへんやろ。今日は、このまま最後まで冗談で行くでぇ!

 

だいたいな、君は「ブラン下」って、ゆうやろ。オレに最初に、印刷を教えて

くれた先輩は、「ブラ下」って、ゆうてたんよ。そんなもん、ブラの下はオッ〇イ

しか有れへんと思わへん?「エッチ液」とか、「感じてる」とか、この先輩、

絶対ヘンタイや~と、思~てたもんなぁ~。

 

「いや、あの、胴仕立ての話で・・・」 そやね、えっとな、ベアラーは、版胴や、

ブラン胴の両端に付いてる、銀色の金属製の部分の事を言ってるんよ。んで、

このベアラー同士が、専門用語で言うところの、「キスタッチ」ってヤツで接触

してるんやわ~。「・・・チョッと、どう突っ込んでエエか、分からんです」

 

触るか触らんかで、微妙に触ってる、キスタッチやん。これ絶妙な表現やと、

思うんやけどなぁ~。んでな、版胴とブラン胴を、このベアラーと同じ高さに

仕立ててもうたら、版とブランも、キスタッチに成ってしまうわなぁ~。

 

「印圧」って言葉が有るやろ。印刷は微妙に触れてる青春ではアカンのやわ~。

圧力を掛けて、食い込ませな、インキを受け渡す事が出来ひん。この食い込む

量が、0.10mm ってワケや~。

 

トルーローリング法ってのが有ってな、ブラン胴より、版胴を、太く仕立てるって

のが基本に成るんやわ。だから、版胴のオーバーベアラー量を、0.10mm にして、

ブラン胴の方は、オーバーベアラー量=0 か、ブランのヘタリを考慮して0.05mm

オーバーにするってのが、標準やわな。

 

って、君、今日の話、どこまで信じた?また今度、真面目に話すわな。 ほなッ!