ウチの社長の成人式の思い出話が、おもしろかったです。
式典には出ず、仕事をされていたそうで、なんと、その成人の日に、
1日で2回も、スピード違反で捕まったのだそうです。絶対に忘れない
思い出だ~と、おっしゃっておられました(笑)。
私は、式典には出ましたが、なんと、その時、失業中でした~ (^^)v
高校を卒業して、中堅クラスの印刷会社に就職して修行させてもらって、
その後、高校時代から付き合っていた彼女の家が印刷屋さんだったので、
そこにお世話に成ったのですが、半年ももたずに破局(笑)。
正月明けに辞めて、・・・もう、印刷屋はイイや~。何か他の仕事を探そう。
なんて考えてる最中でした。んでもね、高卒では、自分が望むような仕事
には、なかなか就けず、結局、出版関係の会社の面接に行ったのですよ。
なんかね、場違いでした。凄く綺麗なオフィスで、スーツ姿で仕事をしてる。
それまで、薄暗い印刷工場で、油とインキにまみれて働いて来た私にとって、
メチャ違和感の有る場所でした。(こりゃ、無理やなぁ)
その面接の帰り道、印刷屋さんの看板を発見しました。30人程度の会社
でしたが、それまで、私が修行して来た、ハイデルやローランドが有ったので、
こりゃ、即戦力で働けるなぁ~(^^)v なんて思いながら見学させて頂いてたん
ですが、なんと、その場で、採用不可!を言い渡されてしまいました(汗)。
本当は即戦力の人が欲しいのだが、つい先日、シロウトを二人、採用した
ばかりで、4月には新卒の高校生も入って来るからなぁ~。と言う理由。
・・・まぁ、そりゃ仕方ないですわね。やっぱり印刷屋は、もうやめよう!
なんて思ってたら、その日の夕方に、その社長さんから電話を頂きました。
「やっぱり来てもらえんだろうか。若い経験者を見逃す手は無いから。」
と言う事で、あっさり採用。その日から18年間に渡り、お世話に成る会社で、
2級技能士も、1級技能士も、その社長さんの絶大な協力の下、取らせて
頂き、本の執筆活動も、ここで始めさせて頂きました。
お世話に成って10年程経った頃、古株の上司との意見の相違から、退職を
決意して、社長に伝えたら、「オレが、どれほど、おまえに期待しているのか、
分かってるかッ!おまえはすでに、愛知県下で3本の指に入る印刷技術者だ。
これから頂点を目指そうとする者はな、辛抱する事を覚えなイカン。辛抱が
人を成長させる。おまえの成長を見届けるのがオレの一番の楽しみなんだ!」
涙が出ましたね。従業員を止めるのに、こんな説得の言葉が有るのか。
周りの何も変えないし、変わらない。おまえが変われ!おまえが成長しろ!
辛抱を覚えろ!・・・心の底に、グッと刺さりました。素晴らしい社長でした。
これから数年後に、この社長が亡くなられました。そして今から数年前に、
この会社は倒産しました。でも、印刷技術者・成田にとっては、ここが原点です。
成人式の次の日だったと記憶しています。成人式で着たスーツとネクタイ姿で、
偶然、見付けた印刷会社に、ギリギリで採用して頂いて・・・。
ここに採用して頂いていなかったら、おそらく異業種に進んでいた事と思います。
あの社長に出会っていなければ、今の私は有りません。そう言う意味からも、
私の成人式は、私の運命を変えた日、だったと思っています。・・・感謝!