印刷Q&A ユポの刷り方 | 1級技能士・成田の印刷技術

1級技能士・成田の印刷技術

1級技能士・成田が、オフセット印刷技術を解説します~。

●質問

 

LED-UV機を使っています。1年に1度程度ですが、ユポの印刷が有ります。

先日、刷っていたら、紅の地汚れが出てしまい、版を交換して対応しました。

ユポは、FGS、 版は無処理版です。成田さんの記事も、いろいろ読んで

勉強していますが、たかだか1年に1度しか刷らないユポのために、いろいろ

設定を変えたりするのは面倒だと感じてしまいます。ユポを普通紙と同じように

刷る方法は無いものでしょうか?

 

●回答

 

「有りません。」

 

の一言で終わりたいような質問ですねぇ~。ユポをナメちゃ、アカンですよ。

あッ!もう一つ、良い回答が有りましたッ!1年に1回だけなんですよね。

それならば、

 

「外注で刷ってもらって下さい。」  (^^)v  ん!これだな、やっぱり (笑)

 

しかし、何で、そんなヘタクソ(失礼)で、モノグサ(こりゃまた失礼)な人が、

よりによって、FGS なんぞを刷ってるんですか?厚みの問題なんですかね?

ウルトラユポを使えば、チッとは、モノグサ(またまた失礼)でも済むでしょうに。

 

つ~か、究極的にはね、「ユポを特別」と考える事、それ自体がアカンのですわ。

「ユポが標準」。普通紙は、その標準から少しだけ変化させる。って考えられる

ように成ると、あなたの印刷技術は、3段ステップくらい上がりますよ。

(青保留が、金保留にステップアップしちゃうんだから、こりゃスゴイッ!(笑))

 

最近、私は、輪転機の工場へ、ケッコウお邪魔させてもらってます。輪転機って、

印刷直後に、ガスバーナー等で強制乾燥させるようなシステムですから、裏移り

とかは、まず有りませんわね。ですから湿し水の使い方が、超ラフな所が多いです。

 

印刷中の版面を見ると、湿し水が浮いて、テッカテカに光っちゃってますわ~。

・・・これ、枚葉機でやったら、トラブルのオンパレードだろうなぁ~。こんなんじゃ

絶対にユポは刷れんよなぁ~。そうやって考えてみると、枚葉機の技術力って、

やっぱり、スゲェんだよなぁ。などと思ったりしてます。

 

逆に言うなら、輪転の人達が、ユポを刷れるような、そんな超シビアな湿し水の

調整技術をシッカリ身に付けたら、本当に超スゲェ事が起こるんだろうなぁ~。

などと、ワクワクしたりもしています。

 

湿し水を極限まで絞る!ってのはね、水を使う全てのオフセット印刷では、こりゃ

基本中の基本の技術なんですよ。その基本がシッカリ出来てるかどうかを再確認

させてくれるのが、ユポの印刷だったりします。1年に1回、自分の技術の基本を

確実に見直すためにも、頑張って刷ってやって下さいな。