印刷Q&A 紙揃え・追記 | 1級技能士・成田の印刷技術

1級技能士・成田の印刷技術

1級技能士・成田が、オフセット印刷技術を解説します~。

●追記

 

お世話になってます。

本日の印刷で、用紙を見たらわずかに山型になっており、

逆さまにして印刷してみたら、驚きです、めっちゃ揃うでは

ありませんか。本当にありがとうございました。

 

●回答

 

でしょ (^^)v

 

ほんのチョッとの事なんですが、そこに気付くための、正しい知識を

持っているかどうかで、「技術上達の道」ってヤツが大きく広がるんですわ~。

 

「この紙は、揃わないのが普通だ」と、諦めてしまえば、それで全てが終わり。

上達の道を閉ざしてしまう事に成ります。一番アカンのは、「以前にやって、

うまく行かなかったから、その紙を刷る時は、4千回転が限界だ」などと、

決め付けてしまう事です。

 

自分で決め付けて、自分の限界を勝手に設定し、それ以上の挑戦を怠って

しまえば、「上達」も「改善」も、全く無く成ってしまいます。そして、いつの日にか、

自分より若いオペレータが、難なく1万回転で刷ってしまったら、もう、あなたの

居場所は有りません。技術屋ってのは、そう言う世界に住んでいるんですよ。

 

今よりも、何か良いやり方は無いのか?少しでも楽にやれる方法は無いのか?

と、常に探求し続ける事が、技術者にとっては、とても大切な事なのですわ。

探求心が無い者の事を「技術者」とは呼びません。それは単なる「作業者」です。

作業者であるならば、社員じゃなくても、パートさんで充分なんですよ。

 

「プロの技術者」は、プロとしてのプライドを持ち出すまでもなく、常に探求し、

常に成長し続ける事が必須です。そうした気持ちが無く成った瞬間に、気付けば、

自分より若い者に追い抜かれ、自分の居場所を失くす事に成るのです。

 

私は、現場管理者だった時代、非常に厳しかったと思います。機長が「出来ない」

と一言でも言おうものなら、「分かった、んじゃ明日から、おまえに印刷機を任す事は

出来ないから、紙積みをやりなさい。もちろん、給料も紙積み用に下げるから。もし、

それがイヤなら、明日、辞表を持っておいで」 などと平気で言っていました。

 

探求心や、向上心を忘れず、常に挑戦し続けるからこそ、人は人として成長が出来る。

成長が出来ない人間、成長をしようとしない人間。そう言う人の事を、「人材」とは呼び

ません。それは「人罪」と呼びます。会社にとっては、邪魔な人間なのですわ。

・・・今時、こんな話をすると「モラハラだッ!」と言われてしまいますわね(笑)。

 

話を戻しましょうね。今までとは違うやり方に気付き、それによって、今まで、さんざん

苦労して来た事が、スゴく楽に、メチャ速く処理出来るように成った。そう言う瞬間に

出会うと、「オレは、この何年もの間、なんてアホな事をして来たんだ~」と、悔しさが

込み上げて来ます。

 

私も、何度も何度も、その繰り返しをして来ました。そう言う、悔しい思いの繰り返しを

して成長して行くのが、技術者の道なのだと、そう思っています。