印刷会社の懐状態 | 1級技能士・成田の印刷技術

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1級技能士・成田が、オフセット印刷技術を解説します~。

印刷会社にとって、苦難の時代が続いていますねぇ。

必死にやってるのに、ただただ忙しいだけで、利益が上がらない。

やってもやっても、儲からないから、印刷機のメンテや修理に

お金を掛けられない。

 

メンテ不良や、修理が出来ていない印刷機ってのはですねぇ、

人身事故の可能性が、メチャ高く成るんですよ。そりゃそうですよねぇ、

万全な状態なら、触らなくてもイイ所や、やらなくても済む危険な作業を

しなきゃ成らなくなるワケですから、事故の確率が上がるのは当然です。

 

いろんな保険に入ってらっしゃる事と思いますが、従業員が人身事故で片腕を

失くして、賠償問題で裁判にまで発展したら、まず会社側に勝ち目は無いです。

莫大な額に成りますから、かなりヤバいですよ。

 

「何度も社長に頼んでいるのに、全く言う事を聞いてくれず、危険と隣り合わせで

仕事をしていたら、この事故に合ってしまい、利き腕を失くしてしまった。これは、

社長に全責任が有るので、自分の人生を変えてしまった事故に対して、賠償を

求める」 なんて言われたら、勝ち目は有りませんよね。

 

例えば、インキローラーを交換させないってのも、同じなんですよ。

「チョッと資金が厳しいから、ローラー交換は控えてくれ」とか言って、もう、

何年も、ローラーを交換させずに使わせていたりしませんか。

 

ローラーが古いと、品質が安定しません。ヒッキー(ゴミ)もイッパイ乗ります。

そのゴミ取りのために、オペレータは印刷機の周りを走り回る事に成るんですわ。

この時、コケて足の骨を折ったりとか、コケた弾みで、眼鏡が割れて失明したりとか、

これらは実際に有った事例で、莫大な賠償金が発生しています。

 

それよりも、古いローラーは品質が安定しません。高いレベルで不安定に成るの

ではなく、メチャ低いレベルで、超不安定に成ってしまうんですわ。こうなれば、

いつか、お客さんからクレームが来ます。クレーム、検品、刷り直し。そんな事に

お金を使わされるよりも、先に、ローラーを替えた方が安く付くと思いません?

 

従業員と、顧客保持のためにも、メンテ不良や、修理不良の機械だけは、

どうかどうか、勘弁してやって下さい。