印刷Q&A 紙クセ | 1級技能士・成田の印刷技術

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1級技能士・成田が、オフセット印刷技術を解説します~。

● 質問

 

昨日の朝、印刷を始めようと、紙積みをしていたら、紙の両端が

大きくカールしてしまい、給紙が出来ないほどに成ってしまいました。

紙は、マットコート紙です。こうした事を防止するために、加湿器を

設備したのですが、加湿器だけでは、だめなのでしょうか?

 

● 回答

 

横目の紙の両端がカールしてしまうのは、本当にイヤですよね~。

おっしゃるように、紙は「湿度」によって変化をしてしまいますから、

工場内の湿度管理は非常に重要です。(あッ、ユポは「温度」で変化しますね)

 

問題はね、急激な湿度変化なんですよ。例えば、工場とは別棟の倉庫に

紙が保管してあって、そこから今朝、移動して来た。なんてのはダメです。

倉庫と工場では、温度も湿度も違いますよね。そう言う環境変化が有ると、

一気に紙クセが出てしまうんですよ。

 

印刷をする、一日前には、印刷工場内で紙を保管して、工場の環境に馴染ませる。

最低限でも、それくらいの事はやらなきゃアカンです。それとね、せっかく加湿器を

設備してもですよ、夜、加湿器をOFFにして、帰ってしまってはアカンです。

 

このところ、急に寒く成って、湿度も一気に下降し、非常に乾燥していますから、

加湿器なんてのは、こりゃ24時間、ONにしとかんと意味が無いんですわ。

私なんぞ、エアコンを一晩中ONってのも、普通にやってましたよ。

 

電気代がもったいない!って言われてしまうかも知れませんが、それで朝の

立上げが遅く成って納期に間に合わなく成ったり、品質不良でクレームや

刷り直しに成るよりは、100倍マシだと思いませんか?

 

あと、余分な紙を置いておくスペースが、工場内に無い。って話もよく聞きます。

・・・んなワケ無いですわ~。紙を置くスペースが無い印刷工場なんて、そんなもん、

印刷工場って呼ばんですよ。余分な物が、工場内にイッパイ溢れてしまってるから、

スペースが無く成るんですわ。

 

特に目につくのが、「ヤレ紙」や、余り紙。さっさと処分してしまえば、いくらでも

スペースを広げる事が出来ますよ。スペースってのはね、どんなに広くっても、

気遣いが足らなければ、すぐに埋まってしまうものなんですよ。

 

スペースが無い!なんてのは、どこでも同じ。知恵を絞って、汗を絞って

作り上げて行くのがスペースなんです。「5S」ってのはね、どんな職場でも、

基本中の基本。その基本が出来てない所で、まともな仕事なんぞ、出来る

わけが無いです。・・・必死に、知恵と汗を絞ってやって下さいな。