● 質問
今年、印刷会社に入社して、印刷工場へ配属と成り、最近に成って、
印刷機の操作(版替え、見当合わせ、色合わせ)をさせてもらうように
成りました。機械を触る事は好きですし、簡単に覚える事が出来るの
ですが、色出しが理解不能です。先輩が「もう少し藍を濃くしろ」と言う
のですが、なぜ、この状態で藍を濃くするかも、理解出来ないほどです。
色調を見て正しく判断をする方法で、何かコツが有れば教えて下さい。
●回答
よく話をさせてもらうのが、小学校や中学校で、絵を描く時の事なんですわ~。
水彩絵具で色を塗って行く時、私達の時代は、8色とか、10色の絵具しか
無かったんですよ。今は、12色とか24色が普通ですよね。
色数が少ないから、好みの色が無い。となれば、自分で絵具を調合して、
好みの色を作るしかないんですよ。私達の時代は、青+黄=緑。黄色の分量で
緑の色が変わる。肌色は、赤+白。なんて具合に、普通に理解してました。
何年か前に、印刷会社の新入社員研修の講師をさせて頂いた時、新入生の女性に、
藍+黄は何色でしょうか?って質問したんですよ。大卒の彼女、悩んでしまって答えが
出せません。「そっか、もっと簡単にしようね。青色の絵具と、黄色の絵具を、半々に
混ぜ合わせたら、何色の絵具に成りますか?」
あッ!分かりましたッ!紫ですッ! ・・・そっか~、紫か~。こりゃ困ったなぁ~、
研修の続きが出来へんわ~(涙) こんな事、小学校でシッカリ覚えて来いよ~。
・・・なんて、辛い経験をした覚えが有ります(笑)。
今回の質問者さんは、もっと高度な所で悩んでおられるのだと思いますが、この、
絵具の調合、実はケッコウ、いい勉強に成るんですよ。例えば、超シビアな茶色の
色を出さなければ成らないなんて時、藍を出すのか、墨を出すのか、紅で調整する
のか??なんて悩みますよね。
これね、水彩絵具を買って来て、ヒマな時にでも、自分で調合をやってみるん
ですわ。何を入れると、茶色が、どう変化するのか、その基本を理解するためには
非常に良い勉強に成るんですよ。これは、特練りの勉強にも最適です。
印刷インキは、ナマの状態だと、とっても濃いですよね。これを、紙の上で薄~く
伸ばすか、実際に印刷してみないと、正しい色調を判断する事が出来ませんよね。
その点、絵具ってヤツは、ナマの状態でも、色調の判別が可能です。とっても手軽
なので、勉強のためにはイイんですよ。
「あのな、男ってのはな、一生、イロ(女性関係含む)で、悩んで行くもんなんだ。」
私の最初の、印刷の師匠が、しみじみと語っておられました(笑)。
イロで悩むのは、男の甲斐性だ!くらいに考えて、頑張って精進して下さいッ!