定量添加装置の弱点 | 1級技能士・成田の印刷技術

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1級技能士・成田が、オフセット印刷技術を解説します~。

エッチ液を、pHコントロールや、伝導率コントロールで添加しているってのは、

今時、おそらく無いだろうと思います。何%って言う、定量添加方式が、普通に

使われていますよね。

 

んじゃ、この定量添加方式の機器、どんな仕組みに成ってるのか?って言うと・・・

ウチ(コスモテック)のTOP-ONEシリーズの場合、管理冷却タンク内の湿し水が、

規定値よりも、5ℓ(リットル)減少すると、水道水を5ℓ補充して、設定された%に

見合うように、エッチ液を自動で補充するって言う機構に成っています。

 

5ℓ、湿し水が減ったら、5ℓ分の水とエッチ液を補充するって言う、簡単な機構ですわ。

簡単な機構ではあるんですが、気を付けて頂きたい事が、一つ有ります。

それはですねぇ~、エッチ液を吸い上げるために、エッチ液のボトルに突っ込む

細いホースなんですわ~。ボトルに入る部分は金属製の管に成ってますよね。

 

この、ホースから金属管の部分に、エアー(空気)が入ってしまうと、エッチ液を吸い

上げる量が、メチャメチャに成ってしまって、定量添加がウマく行かなく成ってしまうん

ですよ。正確なエッチ液添加が出来ないと、汚れ等のトラブルの原因に成ってしまい

ますから、本当に要注意なんでわ。

 

例えばですよ、エッチ液が、ボトルの中で無く成ってしまっていたら、こりゃ完全に空気を

吸い上げる事に成ってしまいますから、ホースの中は空気だらけに成ってしまって、こりゃ

完全にアウトですわね。・・・でもね、それだけじゃないんですよ。

 

よく見掛けるのは、ボトルの中のエッチ液が少なく成ったから、新しいボトルを用意して、

そっちのボトルに、ホースを突っ込み直すってヤツです。これってね、エッチ液の液面から

ホースの先に付いた金属管を引き抜く事に成りますよね。液面から引き抜かれれば、

当然のように、ホース内に空気が入ってしまうんですわ。

 

その後で、エアー抜きをやって頂ければイイんですが、こりゃ面倒ですので、私の場合は、

エッチ液のボトル内に、エッチ液の残量が少なく成ったら、石油ストーブに灯油を入れる時の

シュポシュポを使って、新品のボトルに入ったエッチ液を、今使っているボトルに補充して

いました。このやり方でしたら、金属管が液面から抜かれる事はないですから、エアーも

一切、入らないってワケですわ。

 

私が一番、お勧めしたいのは、このやり方なんですが、例えば、エッチ液を他の物に替えて

みよう!なんて時には、使えないやり方ですよね。こうした場合は、どうしようもなくホースの

中にエアーが入ってしまいますので、「エアー抜き」をやる事に成ります。

 

やり方は簡単です。ウチのTOP-ONEの場合でしたら、前面に付いたタッチパネルの中に

「H液」とか書かれた部分が有ります。この部分を指先でタッチして頂くと、タッチしている間、

ポンプが働いて、水槽内にエッチ液が出っ放しの状態に成ります。この出っ放しの状態を

エアーが抜け切るまで続けて頂ければ、エアー抜き完了です。

 

ただ、この時には、水槽内にエッチ液が、どんどん出てしまいます。タンク内の清掃前とか

でしたら、出てもイイかも知れませんが、出ては困るって場合の方が多いと思うんですわ。

こうした場合は、この「H液」って部分にタッチしたままの状態で、水槽内の上の方を見て

頂くと、エッチ液が吐出して来る箇所を見付ける事が出来ますので、ここにメスシリンダー

か何かを当てがってもらって、出て来るエッチ液を受け止めてやって下さい。

 

吸い上げるホース内への、エアー混入ってのは、定量添加の精度に対して、大きく悪影響

を与えてしまいますから、チョットだけ手間を掛けて頂いて、エアー混入の阻止をしてやって

下さいませ。出来れば、チョッと面倒ですが、ヒマな時にでも、ホース内にエアーが入って

しまっていないかを確認して頂いて、もし入っていたら、前途したような、エアー抜きを実施

して、快適にご使用を頂ければ幸いです。どうか、宜しくお願い致します。