●質問
こんにちは
ランプが眩しいので数を減らすに当たり、理由を先輩に説明したいのですが
色評価用の明るさが分からないので教えてください。
3か月ほど前に色見台のランプを
三菱のFL40S・N-EDL(演色AAA 5000K)に替えました。
前に使っていた蛍光灯がオレンジだったのに対して、かなり白く見え、
演色性検査カードでも2色がほぼ同じ色に見えるようになり色はかなり
良くなったのですが、非常にまぶしく、べタが薄く見えてしまい、
照明に合わせてべタ濃度を合わせると汚れたりアミが若干潰れたりします。
あと、少し目も痛くなります。
僕が使っている照明には他の印刷機と違いカバーがなくランプはむき出しで、
印刷機メーカーに聞くとカバーは元からないタイプらしいのです。
前のオレンジのランプの時は6本ランプをつけられるのに対して2本つけていました。
ランプから色見台までは1200mmです。現在、先輩の指導で6本全部つけています。
質問は光の明るさ(ルーメン・ルクス)に関しては色評価用の基準やはかり方が
あるのでしょうか?色に関しては5000Kは確保できているので6本から2本に
少なくしても5000Kには変わりがないから(といっても検査カードを台の上に置くのと、
正面のマグネットボードに貼り付けるのとでは色差がでてしまうのですが)
減らしてもいいのでは?と思いました。
結局、眩しくて薄く見えるのでベタの多いスーパーのチラシなどは色見台ではなく
天井の普通のオレンジのランプの下で見ています。
機械は油性菊全オフです。あと、関係あるかわかりませんが僕はかなり近視で
分厚い眼鏡かけています。眼鏡屋に色がよく見えると聞いたのでアッベ数とかいう
のが高いのつけてます。 よろしくお願いいたします。
●回答
こりゃまた、長文の質問を、ありがとうございます。
え~と、んじゃまず、色見台の明るさに関してですが、これはJIS(日本工業規格)
で決められたものが有ります。その数字を並べても、ピンと来ないと思いますので、
数字に興味が有ったら、JISで調べてみて下さい。
印刷機メーカーが色見台に設定している照明の本数は、そのJIS規格に乗っ取った
ものですので、今回の場合は、メーカーが指定した、6本と言うのが正しいのですよ。
よって、先輩の意見が正しく、世間一般では、普通に6本で使っていますし、それを
2本にしたいって意見は、初めて聞きましたわ~。ちょっとビックリの意見ですね。
私ら、年配のオペレータはね、新人の頃、まともな色見台なんてのを、見た事が
なくてね、普通の2本付き蛍光灯の下で作業をするのが当たり前だったんですよ。
それが、6本付いた色見台を与えてもらった時、本当に感動しましたわ。
色の見え方は素晴らしいし、細かな汚れまで良く見えるし。・・・この6本ってのが、
スタンダードなんですわ。それを2本にしたいって!そりゃあなた、最新の4Kテレビ
よりも、昔のブラウン管テレビの方がキレイに見えるッ!って言ってるようなムチャ
クチャな話ですぞ。オペレータを続けたいのなら、スタンダードを使いこなして下さい。
あと、照明のカバーの話ですが、私は、このカバーってヤツに特別な思いが有り
ましてね。このカバー、安物?だと、演色性を変えてしまうんですよ。色調の見え方が
大きく変わってしまう事が有るんですわ。そのおかげで、どれだけ苦労をした事か。
ですから、私の機械はもちろんの事、私が管理する工場の印刷機は、カバーを
全部外して、ランプ剥き出しで使うのをスタンダードにしています。どんなに素晴らしい
演色性を持った照明でも、樹脂製のカバーがフィルターに成ってしまって、光が
変わってしまうんですね。
あと、極度の近眼。オペレータは目を酷使しますから、近眼の人は多いですね。
私も近眼で、しかも、けっこうキツイ乱視です。裸眼だと、見当トンボが3本に見えます
もんね。近眼は、何も問題有りません。・・・トシを取れば分かりますが、本当に怖いのは、
老眼(遠視)なんですよ。オペレータ生命に関わるほどの辛さが有ります。
私は、北海道から九州まで、大きな印刷工場から、小さな所まで、かなりの数の
印刷工場にお邪魔させてもらってますが、6本を2本にしたいとか、実際に4本
外して2本で作業してる人とかを見た事がありません。あなた自身が、かなり
特殊な感覚の持ち主だと言う事を、充分に理解して下さい。
あえて「間違っているッ!」とまでは言いません。我々ベテランも、色調で迷うと、
オペスタから離れて、屋外の日陰で見たり、事務所の照明で見たり等、当然の
ように行っています。でもね、スタンダードを崩してはアカンのですわ。
どれだけ迷っても、最後に帰って来るのは、スタンダードの場所なんですよ。
どうか、スタンダードを大切にしてやって下さいな。