●質問
菊半4色機と、同2色機の2台を稼働させている工場です。
帳票類や、薄い紙の印刷が多いので、空気が乾燥して来ると、
静電気が凄くて、毎年、困っています。加湿器を買って欲しい!
と社長に頼んだら、「加湿器を設備する事によって発生する
利益を数字にして、レポートを出せ」と言われてしまいました。
設備に対する、費用対効果と言うのは、絶対に考えるべきだと
思うのですが、加湿器の場合、どれだけ儲かるか?なんて、
どうやって、数字に表したら良いのでしょうか?
●回答
ハハハ、なかなか、意地悪な社長さんですねぇ~。でもね、もしも、
私が印刷会社の社長で、同じ事を社員が言って来たら、私自身も
御社の社長さんと、同じ事を言うと思うなぁ~。
加湿器を買ってくれ。エアコンを買ってくれ。掃除機を買ってくれ。
全部、ホイホイと買って与えていたんでは、その、ありがたみが、
無くなってしまうんですわ。ありがたみが無くなると、それらの物の
扱いが、とっても雑に成ってしまうんですよ~。
エアコンのフィルターを、ぜんぜん掃除しないから、室外機に負担が
掛かってしまって、室外機がパンク。「室外機が壊れて動かなく成りました。」
なんて、簡単に言って来ますが、アレって何十万円もするんですわ~。
しかも「壊れた」ってか。違うだろ、掃除しないから「壊した」んだろッ!って
怒鳴りたく成ってしまいますね。
そう言う事が起こらないように、そうした設備の導入時には、いろいろと、
面倒な課題を言って、苦労をさせた上で、導入して、大切に使ってもらいたい。
そんな思いが有ると思いますよ。・・・でもね、加湿器の費用対効果って、実は
ケッコウ簡単に出せるんですよ。
紙の薄い帳票類の印刷を、1時間あたり8千枚のスピードでやりたい。でも、
静電気が起きると、給紙停止とか、排紙でのトラブルで、1時間あたり4千枚
しか刷る事が出来ない。しかも、排紙で紙がグチャグチャなので、それを揃える
のに、30分掛かってしまう。(この30分間は印刷出来ない)
と言うことは、1.5時間で4千枚しか出来上がらないって事ですよね。3時間で8千、
9時間で、2万4千。つまり、1時間残業して、2万4千の仕上がりって事ですわね。
面倒なので、通し単価を1円としましょう。って事は、この日の生産高は24,000円です。
ここに加湿器を導入して、8千回転のスピードで印刷をする。静電気が起こりません
から、ロスタイムを入れても、7千枚が1時間で刷れるとしましょう。順調良く刷れれば
機械を止めて紙を揃える時間も不要ですから、1時間で7千枚の仕上がり。これを
9時間やれば、1日で6万3千枚。つまり、生産高は、なんと、63,000円ですわ~。
1ヵ月を 22日で計算すると、加湿器無しは、月産528,000円。加湿器導入後は、これが
22日×63,000円で、1,386,000円に成ってしまうんですよ。静電気で悩む季節を3か月
だとすると、さらにこの3倍。1,584,000円 対 4,158,000円。3ヵ月の生産高で、なんと!
2,574,000円の差が出てしまうんですわ~。
250万円も差が出たら、加湿器の設備代なんて、3ヵ月で、元が取れてしまいますねぇ。
実際に、加湿器ってのは、印刷工場にとって、本当に稼げる設備なんですよ。だから、
そう言う事を分かってて、多くの印刷工場が、当たり前のように採用してるんですね。
ちなみに、ウチの会社(コスモテック)でも、加湿器を売っています!その名前がね、
「UruOs」って言うんですわ~。「ウルオス」・・・「潤す」。このネーミング最高ですわ~。
(チョット、宣伝でした)