●質問
以前のQ&Aで回転数と湿し水の所で、ローラー温度の上昇によりインキが
柔らかくなり汚れが出やすいとのことでしたが、チラーの無い印刷機の場合、
ローラー温度が上昇したら、湿し水の温度を下げるというのは効果があるの
でしょうか?
例えば刷り出しの湿し水温度が13度でローラー温度が上がるに従い10度にする
とか、8度にするとか。また、温度を下げる事により弊害が有るかなど、
教えてもらえないでしょうか?宜しくお願いします。
●回答
まずは、基本的なところから考えてみましょうね。・・・例えばですねぇ、
室温が25℃だった場合、その室内に置いてあるバケツの中の水温は何度でしょう?
なんとなく、室温よりも水温の方が低いような気がしませんか?だって、水って
冷たいってのが、普通のイメージですもんね。でもね、室内に放置された水の温度は、
室温と同じなんですよ。だから室温が25℃なら、そこにある水も25℃なんですわ。
さてと、これを工場内で考えてみましょうね。工場内の温度が25℃、と言う事は、
湿し水を冷却しなければ、湿し水の温度も25℃ってことに成るワケですね。この
25℃の湿し水を、何も冷却しないまま、印刷を開始すると、印刷機のローラー等の
熱のために、どんどん上昇して行く事と成ります。
実際に、冷却装置が故障した経験が有るんですが、湿し水はすぐに30℃まで上がり、
その後、半日続けてロングランの印刷をしていたら、40℃を越えてしまいました。
これでは汚れが止まらないので、ビニール袋に氷を入れて、湿し水を冷やしながら
印刷を続けた経験があります。
と言うワケで、湿し水は冷却しながら使わなきゃアカンって事に成るのですが、
その冷却温度は、どうやって、何を基準に決めてやればいいの???
印刷機の方の温度を管理する時に基準に成るのが「印刷中のローラー温度25℃」って
ヤツなんですわ。印刷が開始されて、ローラーが発熱しても、その温度を保つためには、
版面の温度が15℃に成るよう、湿し水の冷却具合を設定するってのがセオリーです。
そうなると、水舟内の湿し水の温度が13℃、それをキープするために、冷却タンクの
設定を10℃にする。なんてのが、一般的なセッティングですかね。
ローラーチラーが無くても、印刷中にローラー温度25℃、版面温度15℃なんてのが
保っていられればOKなんですが、工場内の空調の問題だとか、冷却タンクのパワー
だとか、いろんな要素で温度が上がって行ってしまいますから、チラーが無いと、
ケッコウ苦しいですよね。
私の知り合いで、水温調整をコマメにやってる人がいます。朝は何℃とか、昼前には
何℃まで下げるとか、かなり細かく調整をしてるようですが、彼いわく、調整をする
のは当然!と、ドヤ顔をしていますので、彼にとって、効果は大きいと思うのですが、
私には、その効果が分かりませんです。
無責任な回答で申し訳ないですが、調整するのが当然と言ってる人もいれば、
私のように、一度決めてしまえば変更なんて、そんなもん必要なしッ!と
言ってる人もいます。是非、ご自分でもトライしてみて下さい。