添付した写真のように、着肉不良が発生してしまいました。
写真の上(8ページ)は前回見本で、きれいな着肉の物です。
写真の下(14ページ)の方が、本日、印刷したもので着肉不良に成っています。
紙は、再生上質、墨の1色刷りで、ベタからのグラデーションです。
印刷機は、LED-UVの4色機です。工場内に有った、古い余り紙で試し刷りを
していて、この状態でしたので、本紙を使っての本刷りに入る事が出来ません。
原因と対策を、ご指導下さい。

●回答
いやいや、こりゃ、なかなかスゴイですねぇ~。現物を直接見てみないと、詳しくは
言えない部分も有りますが、写真で見る限りでは「モットリング」と言うトラブルです。
今時の、高性能な油性インキでは、なかなか、お目に掛かれないトラブルですわ~。
やっぱり、高感度UVのインキって、いろんな事が起こりますねぇ。あッ、そんな
言い方をしてしまうと、インキだけが悪いように聞こえてしまいますが、モットリング
ってヤツは、いろんな事が重なって起きてしまう場合が多いようです。
まず、モットリングと言うトラブルの話をしなきゃアカンですよね。症状から言うと、
今回、添付して下さった写真の、14ページのように、ベタや網の部分が、果物の梨の
表面のように、いわゆる、梨地状に成ってしまうって言うヤツです。
原因としては、まず、紙の問題。今回は、古い余り紙を使われたとの事ですが、その
余り紙の保管状況は、どうだったでしょうか。湿気を含んでしまった紙は、この
トラブルの原因に成る事が有ります。一度、新品の本紙で試してみて下さい。
あとは、インキの硬さ。硬過ぎるインキはアカンです。高感度UVのインキは、
油性インキと比べると、性能的に、いろいろと劣る部分が有りますので、こうした
モットリングなんて言うトラブルが、起き易い傾向にはあると思います。
あとの問題は、ブランケットですね。UV用のブランって、やっぱり、印刷品質的に
性能が悪いですよね。もし、今、付いてる物以外のブランがあったら、一度、その
銘柄の違うブランと交換して試してみて下さい。
もし在庫が有れば、今回だけ、油性のブランを使ってみるってのも、なかなかの好手、
だったりするんですわ~。まぁ、そこまでしなくても、銘柄の違うブランに替えるだけ
でも、けっこうイイ効果が有ると思います。
とりあえず・・・
① 紙を、新しい本紙に替えて印刷してみる。
② 軟らかめのインキに入れ替えて刷ってみる。
③ ブランケットを違う銘柄の物と交換して刷ってみる。
おそらく、これくらいで、かなり良く成るだろうと思われます。
紙の問題も大きいですが、それより先にブランの銘柄を替える事をお勧めします。
ただ、あくまでも、モットリングが出てしまったブランの性能が悪いと言うワケ
ではなく、この再生上質の、墨刷りには合わなかったとか、今回の環境では
良くなかった、と言う話ですので、誤解の無いように対処して下さい。