エメラルドグリーン | 1級技能士・成田の印刷技術

1級技能士・成田の印刷技術

1級技能士・成田が、オフセット印刷技術を解説します~。

ブログで~す。

昨日の日曜日、ウチの会社の人が、岐阜県の山奥に入って紅葉を撮影に
行って来たそうです。撮った写真を、パソコンで見せてもらいましたが、
ダム湖の水に反射した紅葉が、とてもキレイでした。

紅葉の写真って、簡単そうに見えて、実は非常に奥が深いのです。
彼は「偏光フィルター」と言う、レンズの前に付けるフィルターを
最大限に活用します。

偏光フィルターって言うのは、メガネで言うなら「偏光グラス」ってヤツで、
川の水面のギラギラを抑えて、川底の魚までもが見えてしまうよなうな、
そんな優れものなのですよ。

紅葉の葉っぱに、太陽の光が当たって、ギラギラと乱反射してしまうと、
キレイに色付いた葉っぱの色が分からなく成ってしまうんですね。これを、
偏光フィルターを使って、ギラギラを無くしてやると、とても鮮やかな
紅葉が、バンッ!と浮かび上がるってワケですわ。

特に、今回はダム湖の色が美しかったですね。エメラルドグリーンってヤツ
ですわ~。・・・でもね、このエメラルドグリーンってやつ、印刷では再現が
出来ない色なんですね。

今時のデジタル写真って、RGBで色を再現してるでしょう。このRGB
ってのは、色彩再現領域が広いんですね。だから、蛍光色のようなエメラルド
グリーンも、キレイに再現出来てしまうんです。

ところが、我々が印刷する時には、このRGBを、YMCKに変換しなくては
アカンわけですわね。YMCKってね、色の再現領域が狭いんですね。なので、
蛍光色のようなエメラルドグリーンの色は、再現が不可能なのですよ。

旅行のパンフなんかで、「沖縄のエメラルドグリーンの海が待っています!」
なんて言うキャッチフレーズを書いたとしても、印刷のパンフでは、その
美しい色が再現出来ずに、クレームに成ってしまったりしちゃいます。

それを、何とかしようと、高演色インキ(カレイド、湧水など)が出たり、
高精細や、FMスクリーンなんかで挑戦したりしていたのですが、なかなか
良い結果を得る事が出来なかったのか、今ではあまり使われていませんね。

そんな商売がらからか、蛍光色に彩られた色鮮やかな景色を見ると、
心の底から感動してしまって、いつまでも見惚れてしまいます。