●質問
油性の菊半4色機を使っています。普段は4色のカラー物ばかり
刷っているのですが、最近は、それに、ベタニスをオーバープリント
する物が多く成って来ました。
普通のインキなら、濃度計で計測して盛り加減を調節してやれば
問題は無いのですが、ニスは、濃度計で測る事が出来ません。
ニスの盛り加減は、どのように見るのが正解なんでしょうか。
●回答
ハハハ、そうですよね。ニスの盛り加減は、見方が難しいですよね。
濃度計で測れない。そりゃそうですよね、透明な物は測れませんよね。
もう、30年くらい前の話なんですが、その頃の一時期、私はニスの
専門家だった時期があるんですよ。ほぼ毎日、ニスばかり刷ってました。
そんな頃は、濃度計なんてのが一般的ではなくて、プロセスカラーでも、
オペレータのカンで、インキを盛ってたんですよ。
ニスの場合は、見た目では、なかなか判別出来ないですよね~。
我々は、印刷直後の、まだ乾いていない状態の物を手で触って、その
ベタツキ具合で、盛り加減を判別していました。
乾いていないニスの部分を触って、サラッとしてたら、まだ盛りが足らない。
ちょっとだけ、ベタッとするのが良好な状態で、ベットリ来たら盛り過ぎ。
なんて具合です。
ただね、一口に、ニスと言っても、その用途で盛り加減が違うんですよ。
例えば、耐摩擦系のニスならば、ある程度ガッツリと盛らなければ効果が出ない
場合があるのですが、その逆に、マットニスなんてヤツは、薄盛りにしてやら
ないと、マット感が出ない。なんてこともありますね。
しかしながら、触った時のベタツキ状態で、盛り加減を決めるってのは、こりゃ、
油性の場合のみに可能な方法ですよね。UVだったら、排紙されて来た時には
すでに乾いてしまっていますから、ベタツキなんて、無いですもんね。
そうした場合(と言うか、正確には、どんな場合でも)、インキ(ニス)の
消費量で、盛り加減を見て行きます。例えば、1kgで2,000枚印刷するのが、
適正な盛り量だとしたら、インキ壺の中に、ニスを0.5kgだけ入れておき、
500枚程度刷った時点で、壺の中のニスの残り具合を見て、調整して行くと言う
やり方です。
ニスとか、ホワイトとか、減感インキとか、いろいろ難しい物が有りますが、
そうした物を、上手にコントロールして行く事こそが、これからの印刷には
最も重要な技術に成って行くのだと思います。頑張って身に付けて下さい。