DTPと刷版出力 | 1級技能士・成田の印刷技術

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1級技能士・成田が、オフセット印刷技術を解説します~。

またまた、ブログで~す。

実は当社、CTP出力係の人員募集をしてるんですよ。
ハローワークで募集を掛けたんですが、ウチのCTP係って、データ修正とか、
色調修正なんかも出来なきゃいけないので、「DTPオペレータ」と言う名目で
登録させてもらったんですわ~。

そうすると当然のように、DTP(製版)系の経験者の方が応募に来られるワケで。
・・・印刷現場出身の私にしてみれば、製版も刷版出力も、そんなもん一緒だろぉ。
と、安易に考えていたんですが、これが、大きく違ってました~(汗)。

製版系の方が面接に来られて「CTPの出力もお願いする事に成るんですが・・・」と
言うと、見事なくらいに、皆さん尻込みされてしまうんですよ。「CTP出力は、
経験が無いので・・・」と、その場で履歴書を引っ込めて、辞退された方もいます。

知り合いのDTPオペレータに聞いてみたんですよ。「おまえにさぁ、CTPの
出力をやれって言ったら、やっぱりイヤなもんなのか?」「そりゃ無理です。
俺達がやってる、デザインとか製版の仕事って、ある意味、ファジーな世界なん
ですよ。CTPで版を作るのって、すごく硬い世界じゃないですか。そんな硬い
領域の仕事は、ちょっと怖いですね」

へぇ~、そんな感覚なんだ~。まぁ確かに、CTP出力ってのは、版面設計だとか、
印刷機械の咬寸法だとか、とってもキッチリした数値をもとに組み立てて行く仕事
だから、デザインや製版なんかとは、違う世界なのかなぁ~。

でもさぁ、いろんな印刷会社で見て来たけど、CTPの刷版出力って、やっぱり、
DTP出身の人がやってるぞぉ~。例えばさぁ、CTPの導入当初の時って、
フィルムで版を焼いてたオッサン達が、そのままCTPに移行出来たかって言ったら、
こりゃ、とうてい無理だったんで、データの扱いに成れたDTPの人達がやってた
もんなぁ。

と言うか、オレなんか、前の会社では、自分が刷る版を、自分で出力してたぞぉ~。
印刷機のメンテしながら、CTPの自動現像機のメンテも、オレがやってたぞぉ~。
そんなもん、やる気さえ有れば、誰でも出来るって!

・・・もうすでに、DTPだとか、CTPだとかの垣根は無いんだと思っています。
実際に、その辺りの全てをまかなえてしまう方は大勢いるワケで。その辺りに、
自分で垣根を作ってしまっているから、ハローワークのお世話に成っているんでは
ないのかな?(チョット偉そうでスンマセン)

印刷オペレータもね、自分で垣根を作ってしまっては、おしまいです。
「そんな紙は刷れない」「そんな事は出来ない」「そんな数量は無理」。
出来ない理由なんて、誰でも山ほど出す事が出来ます。でもね、そうやって
出来ない理由で垣根を作ってしまうと、仕事を失ってしまう時代なんですよ。

他人が出来ない事でも、オレならやれる!そんな意気込みが、これからの時代を
生き残って行く最低限の条件なのだと思います。