●質問
印刷機は、鉄で出来た機械なので、給油やグリスアップなどが、
絶対に必要な事は分かるのですが、その逆に、油やグリスが、
印刷物の上に落ちて、クレームに成ってしまう場合が有ります。
出来れば、グリス等は差したくないのですが、何とか成らない
ものなのでしょうか。
●回答
油垂れ、ってヤツですよね。あのトラブルは本当にイヤですよね。
印刷中に、数枚、不具合が出て、その後すぐに消えてしまうので、
オペレータとしては、非常に気付き難いトラブルですもんね。
しかし、例えば、ベタ部分に油が垂れたりすると、完全にインキが
付かない部分が、ドバッと出てしまい、素人目で見ても、
非常に良く分かるので、すぐクレームに成りますね。
鉄と鉄が接触し合って可動する部分には、必ず給油が必要です。
給油を怠ると、鉄と鉄の摩擦で、お互いを削り合ってしまうんですわ。
潤滑油には、「減摩作用」「冷却作用」「清浄作用」「密封作用」
なんて言う作用が有ります。だから、もしも油が無かったら、鉄と鉄が、
スゴイ摩擦で削り合ってしまい、ドンドン加熱し、鉄の切りクズが溜まって、
ガタガタに成り、そこに、いろんなゴミが入ってしまうんですわ。
車のエンジンもそうですよね、もしエンジンオイル無しで車を走らせたら、
あっと言う間に焼き付いて、エンジンが動かなく成ってしまいます。
車のエンジンは、とても加熱する部分ですから、よけいに大切なんですが、
逆に考えれば、そんな、メチャメチャ加熱してしまう部分でも、油膜が
有れば、大丈夫だって事なんですね、・・・オイルってスゴイですよね。
我々の印刷機械は、車のエンジンほど加熱する事は有りません。
ですから、車のエンジンオイルのような、高級な物を使う必要はないですが、
それでもやっぱり、オイル無しでは、アカンのですわ。
オイルやグリスをやったら、必ず、余分な部分を拭き取る。
拭き取っても、機械が熱を持ってくれば、また流れ出す場合がありますので、
給油作業をしてない場合でも、毎朝とか、3日おきとかぐらいのスパンで、
給油部分から油がしみ出していないかを確認するようにしたいですね。
鉄と鉄が接触可動をする部分には、必ず給油が必要。
今のところ、給油を完全に無くすと言うのは不可能なようですね。