印刷Q&A 加湿器の選択 | 1級技能士・成田の印刷技術

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1級技能士・成田が、オフセット印刷技術を解説します~。

●質問

当社は加湿器が無くて、毎年、冬に成ると静電気で苦しんでいました。
成田さんのブログを、社長に見せて、今回、加湿器を買ってもらえる
ことに成ったのですが、カタログを見ていると、いろいろなタイプが
有って、どれを選んで良いのか分かりません。それぞれに一長一短が
あると思うのですが、教えて下さい。

●回答

そうですか!加湿器、買ってもらえる事に成りましたか。それは良かった。
確かに、加湿器と言っても、いろいろ有りますから、悩んじゃいますよね。

でもね、考え方としては、「水滴が見えるタイプ」「水滴が見えないタイプ」
の二つで考えればイイと思うんですよ。スプリンクラーのように、水滴が
噴射してるタイプと、エアコンのように、風が出てるだけ?ってタイプです。

印刷工場としては、水滴が見えないタイプが理想だと思います。
水滴を噴射するタイプってね、どうしても局部的に、水でベタベタに成って
しまうんですよ。例えば、噴射する所に置いておいた印刷物の、一番上だけ、
シッカリ湿ってしまった。とかね。

ですから、スプリンクラーのようなタイプを選択する場合は、水滴が出来るだけ
細かく出るノズルの物を選ぶようにするとイイと思います。このタイプは安価で
メンテナンスも楽なので、多くの印刷工場で採用されていますね。

もう一つの、水滴が見えないタイプですが、これはイイですよ。
湿気を含んだ空気を、ドッカンと噴出してくれますから、加湿はバッチリです。
しかも、エアコンのように工場内の空気を吸い込んで、フィルターで奇麗にして
噴出してくれますから、工場内の空気清浄効果も有りますしね。

ただね、水滴が見えないタイプは、そのもの自体が、デカイんですよ。
床置きのボックス型ですから、設置スペースをケッコウ取ってしまいます。
それに、やはり高価です。あと、空気を清浄してくれているので、フィルターが
かなり汚れます。このフィルターのメンテを、こまめにやらんとイカンですね。

印刷工場では、スペースの問題が、一番大きいかと思います。
スプリンクラー方式だと、天井からの吊り下げなので、設置スペースを、
ほとんど取らないと言う利点があるんですね。

印刷物が、ほとんど、紙だったら、どんなタイプでもOKだと思います。
でも、ユポだとか、フィルムだとかが主流だったら、スペースを作ってでも、
水滴の出ないタイプを導入することをお勧めします。