印刷Q&A タテ目とヨコ目 | 1級技能士・成田の印刷技術

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●質問

去年の4月に入社して、まだ経験年数1年以下のオペレータ見習いです。
紙の目なりに関する質問なんですが、タテ目とヨコ目を間違えて、
何度か失敗をしてしまっています。

どうしても、タテとヨコを逆に考えてしまうのですが、なぜ、その目を
タテ目と言うのですか?と先輩に質問しても、明確な答えがもらえません。
正確な知識を教えて下さい。

●回答

目なりに関しては、私も新人の頃、よく間違えました。
紙を積む時って、紙の長辺を持って積みますよね。その時に自分から見て、
左右に目が流れてると、やっぱり「ヨコ」って言いたく成ってしまいますもんね。

紙の目なりに関する定義は「紙の長辺に対して平行な目を、タテ目と言う」って
ことに成っています。・・・なんかね、紙の長辺を持って作業してる我々にとっては、
長辺に平行なら、ヨコ目だろう!って言いたく成ってしまうんですけどね。

紙ってね、作る時には、トイレットペーパーみたいに巻きながら作って行くんですわ。
トイレットペーパーと言っても、幅が12mぐらいあるバケ物みたいにデカイヤツね。

幅12m、長さ25mのベルトコンベアが、超高速で回っててね、
このベルトコンベアの上で、紙が作られて行くワケなのですわ。
(長網方式って言う、ずいぶん昔の、超基本的な方法ですが)

紙の原材料って、木から作られた、細長いパルプ繊維ってヤツなんですよ。
この、細長いパルプ繊維が、ベルトコンベアの上で、進行方向と平行に、
きれいに、真っ直ぐ並んで、幅12mの紙を形成して行くんですね。

だから、紙の目なりを作っているのは、パルプ繊維だってことなんですよ。
パルプ繊維が、12mの幅方向とは直角に並んで、目なりを形成して行く。
要するに、トイレットペーパーの長い方向と平行に目が出来上がるワケ
なんですよね。

トイレットペーパーで、長辺と平行な目だったら、こりゃやっぱり「タテ」って
言わなきゃしょうがないですよね。トイレットペーパーで、短辺と平行なら、
誰が見たって「ヨコ」って感じですもんね。

「長辺と平行な目を、タテ目と言う」って言う定義は、紙を作る工程の、
トイレットペーパーの状態から来てるんだと考えてやって下さい。

図を書くとかすると、もっと分かりやすいと思うんですが、こんな説明で
分かって頂けますかねぇ~(汗、汗、汗)