印刷Q&A 水元・調量間のニップ | 1級技能士・成田の印刷技術

1級技能士・成田の印刷技術

1級技能士・成田が、オフセット印刷技術を解説します~。

●質問

他のローラーに関しては、しっかりと、その接触幅(ニップ)を㎜で調整するように
指示をされておりますが、水元と調量に関しては、角数での調整になっております。
本来なら、水元と調量も㎜で調整しないといけないと思うのですが、
成田様はこの辺りに関して、どのように思われますでしょうか?

因みに、過去に機械メーカーに問い合わせて見たのですが、
㎜での返答を頂く事は出来ませんでした。

●回答

ほほォ~、そんなこと、考えてもみなかったですわ~。
なるほどねぇ、水元と調量も、ニップ幅で調整するってか~。

本当はね、ニップ幅○mmってセッティングよりも、インキの転移状態を目で見たり、
計測器で測ったりして、正確にセッティングが出来るのであれば、その方が
道理にかなった調整が出来ると思うんですよ。しかしながら、そんな事は出来ないので、
仕方なく、ニップ幅で調整している。と、私は考えています。

そう考えた時、水元と調量の部分ってのは、水膜が切れるか切れないかの判断を、
目視で正確に調整してやる事が出来るワケですよね。そこから、○角とか、
○度とか、指定された量を絞り込んでやる。これって、すごく合理的だと思ってます。

特に、水元と調量の間って、受け渡しをする物が「水」ですよね。
インキのように、粘度が高い物は、ローラー間の転移が楽なんですよね。
そこ行くと「水」のように、粘度が低い、シャビシャビの物を転移させて行くのは、
こりゃ、本当に、超シビアな調整が必要なんですわ。

よりシビアな調整を行う必要が有るので、アバウトなニップ幅ではなく、
もっと正確な、目視+追い込み量で、ローラーを決めている。
私は、そう考えています。