●質問
紙の表面が金色の紙(蒸着紙?)を刷る事に成って、営業から
裏移りが心配なので、乾燥の速い、ユポ用インキで刷ってくれ。
と言われました。これって正解なのでしょうか?
●回答
不正解です。
実は、ケッコウ、こう言う事を言う人が多いんですが、
ユポ用インキの特性を、シッカリ理解していない証拠ですよね。
普通の紙は、木から作られているんですが、ユポってね、石油から
作られているんですよ。石油から作られたフィルムだと思えばいいです。
そのユポを印刷して、デリバリィで積み重ねて行きますよねぇ。
この積み重なった状態で、インキが乾燥して行くのですが、
インキってね、乾燥する時に、ガスを発生させてしまうんですわ。
普通のインキの場合、石油系の溶剤が入っているのですが、
乾燥時に発生するガスも、石油系のガスって事に成ります。
この、石油系ガスがね、ユポに当たると、ユポが変形して波打ちのように
グニャグニャの状態に成ってしまうんですよ。石油から作られたユポが、
石油のガスに当たる事で、変形してしまうんですね。
これを防ぐために、インキの成分中から石油系溶剤を抜いて作ったのが、
ユポ用インキなんですよ。もちろん、乾燥が速く成るような工夫もされて
いますけど、基本的にはユポを刷るために作られたインキなんですよ。
インキの中の石油系溶剤分ってね、刷り易くするために配合されている
って感じなんですわ。だから、この溶剤分が入っていないユポ用インキは、
とっても刷り辛いインキなんですよ。
で、質問の回答なんですが、表面が金色の紙とか、ファンシー系の、
とっても乾きが悪そうな紙の場合は、ユポ用インキではなくて、
特殊紙用インキ、なんてのを使うのが正解なんですよ。
溶剤分の無い、刷り辛いユポ用インキを、ユポ以外の紙に使う意味は、
全く無いと思って下さい。