●質問
毎年、12~3月に成ると、コート38.5kgで印刷するチラシの
排紙が揃わず困っています。原因は湿度低下による静電気だと思います。
現在、加湿機を使っても、工場内の湿度は、25%くらい。
排紙デリバリィで静電気を除去するグッズは無いものでしょうか?
なにか良い方法が有れば教えて下さい。
●回答
静電気は、印刷にとって大敵ですよね。排紙での紙揃いが悪いと、
まともな仕事に成らない場合も有るくらいですもんね。
しかし、工場内の湿度25%ってのは、アカンですねぇ。
湿度ってね、正確に言うと「相対湿度」ってヤツなんですよ。
相対湿度に対して「絶対湿度」って言う表現が有ります。
例えば、「年末年始の新幹線の乗車率は、150%と混雑しています」
なんていう言い方が有りますよね。これもね「相対乗車率」なんですわ。
乗車率150%と言われれば、「ああ、ケッコウ混んでるなぁ」って事に
成りますけど、果たして何人乗ってるのかは分からないですよねぇ。
これに対して「絶対乗車率」の方では「本列車の乗車人数50人」と言う
言い方に成ります。・・・新幹線だったら、乗客50人なら、ガラガラですよね。
でも、遊園地の、お猿の電車だったら、超満員の状態です。
湿度もね、これと同じ事なんですよ。湿度って言うのは、
「一定の空間内の、空気が含む事が出来る水分量」ってので計算します。
湿度100%ってのは、洞窟の中のように、壁に水滴が付く状態です。
問題は「空気」なんですわ。空気ってね、気温によってメチャメチャ体積が
変わってしまうんですよ。つまり、空気ってヤツは、気温が高ければ、
新幹線のように成るし、気温が低ければ、お猿の電車に成ってしまうんです。
と言う事はです。湿度50%と言っても、夏の暑い時と、冬の寒い時とでは、
その空気中に含まれる水分の量が、全く違うってことなんですわ。
「相対湿度50%」という言い方に対して、「絶対湿度12.5g/㎥」
なんて言い方に成ってしまうんですが、12.5とか言われても分からんですよね。
そこで、問題を一つ。
「気温30℃・湿度30%」の時と「気温10℃・湿度80%」の時とでは、
どちらが、空気中に含まれる水分量が多いでしょうか?
簡単に考えれば、湿度30%と80%ですから、そりゃ80%の方が多いに決まってる!
って考えますよね。しかしながら、これを絶対湿度で計算して行くと、
30℃・30%の時が、9.1g/㎥で、10℃・80%の時が、7.5g/㎥と成るんですよ。
スゴイでしょう。気温が30℃で湿度が30%の時の方が、湿気が有るんですね。
気温が10℃だと、湿度が80%有っても、実は、それほど湿気は無いんですわ。
ですからね、工場内の気温が何度かは分かりませんが、今の冷え込んだ時期で、
湿度25%と言うのは、本当にカラカラに乾燥した状態だって事なんですよ。
まずは、加湿器を増設するなどして、もっと湿度を上げる事が大切だと思います。