卑弥呼世襲足媛として私の中では定着しましたが、一般的にはまだ全然知られていません。

 

 今は、寝る前の読書に『東日流外三郡誌』を読んでいるのですが、これまで解説書を読んでいたので期待して読んでいるのですが、読むのがシンドイ本です。

 

 これは歴史書というより、研究成果の報告書と呼ぶべき内容でして、多くの研究者が評価に苦しんでいるのが分かる気がします。(偽書だと言いたくなる気持ちはわかりますが、これを偽書とするなら、歴史研究家の書く本は全て偽書になりますね。つまり偽書という人の本は偽書でしょうね。自己否定です。)

 

 簡単にいうと、伝え聞いている内容を近世に勉強し補足して、東日流外(つがる)の正当性主張する本なのですが、我田引水型の情報流用が甚だしく、読んでいてウンザリするほど、正当性を主張する部分が多いのです。(従来の歴史書からすれば「偽書」といいたくなる気持ちは分かる内容ですが、私としては偽書ではなくご都合主義の研究報告書というべきだろうと思います。)

 

 しかし、その中に紛れてキラリと光る、ヤマト王権側には残されていない情報があり、これなどは信じられる情報になります。(東日流外三郡誌にしか無い情報!)

 

 たしか卑弥呼が死んで男王が立つと、再び騒乱となり千人が死に、仕方なく卑弥呼の一族から台与を女王として立てる事でおさまった、だったかな、まあこんな感じだったと思いますが、その話が別の解釈の元で載ってました。

 

 まず、卑弥呼が死んだのは孝元天皇の時のハズです、これはシミュレートでもそうなっていたので、天皇としては正しいと思います。

 

 東日流外三郡誌では、生駒アラハバキの司所(政庁)を置いていて、狭い領域の「大和」に対して双方が立君せずとあります。(このあたりの解釈が難しく、何に腹を立てていたのかちょっと分かりにくいです。少なくとも長髄彦には正当性があり、大山積系もそれを認めているフシがあります。しかし大山積系の女王には牙を剝いておらず、ワダツミ系に対して怒っている様子があります。)

 

 今の奈良県全域ではなく、もっと狭い地域の領土を取り合っている様な感じです。

 

 そして、アラハバキの意向を受けて「孝元天皇」が即位したので、和解に基づきアラハバキは奥州に兵を退いたとあります。(なので、晩年の卑弥呼が死ぬ前にケンカしていた狗奴国とはアラハバキでは無さそうです。私はてっきりアラハバキかと思っていました。)

 

 確かに孝元天皇は天皇になる予定では無かった人物なのが、ホツマツタヱの諱から分かります、母親は磯城県主オオメの娘で、?、たぶん一般的にはヤマト系の人だと思われている系譜になります。はて?(この辺りのアラハバキの感覚を掴まないと理解が難しいですね。葛城系という認識なのかな?)

 

 更には孝元天皇滅後に開化天皇となり、弟の大毘古命アラハバキ王に君位せんとしましたが、長老(ヤマトかアラハバキかよく分からない)がこれを道嶋ワケグラ王(これも意味がよく分からない。)に配したら、倭の反感起こり、騒乱になった事が書かれています。(この内容の意味はよく分かりませんが、就任直後に行った人事異動で、倭人たちから反発が起こった事は理解出来ます。アラハバキではなく倭人たちからというのがキーポイントですね。)

 

 この時に女王になったのが「台与(とよ)」でわずか、6才半だったのです。(竹野姫台与で、尾張氏系が実質の大王として騒乱を収めたという意味になります、天豊姫命竹野姫)は開化天皇時代とタイミングがあってますね。)

 

 しかし、この騒乱、意味がよく分かりません。(誰が何に対して、そこまで怒っているのか? 何故大山積なら良いのか? 恐らくここが古代史のキーポイントかと思います。 欠史八代と呼ばれる天皇は居なかったのではなく、存在に意味が殆ど無かったとするのが良さそうです。二代目の綏靖天皇〜九代目の開化天皇まで、2〜4代は就任後に殺され(大山積も助けようとしていない、むしろ否定する側の様です)、5〜8代は卑弥呼世襲足媛)を女王として取り敢えず治め(大山積が代理王になっている)、9代目は台与が治め、男王は何も出来ない状態にあった事が分かってきました。)

 

 大山積系が立つと一応は収まるので、大山積は争点ではなく、双方から異議のでない存在だといえるのだと思います。(大親分だから、子分は文句が言えない感じですね。)

 

 子分による跡目争いにも見えますが、一度読むだけでは理解出来ないですね!!!

 

 しかし情報元が元々少ないシチュエーションなので、東日流外三郡誌を中心に探さないと分からないかも知れません。

 

 ただ、卑弥呼世襲足媛で、開化天皇の時に騒乱となる原因は書いてある(しかし意味はよく分からない。)ので、世襲足媛台与の証拠にはなり得ます。

 

 しかしこれも意味がわからないと、証拠にしづらい内容ですね〜、いやになります。

 

 まだ一冊目でこれですから、残り5冊はどうなるんでしょうね?

 

 龍海