今日の問題です。「シリコンアイランド」ネタは定番ですね。近年日本の半導体産業は斜陽ぎみとはいいますが。 2018B本8 #毎日チャレンジ地理

 

正解です。「人件費が安価」なことで地方で成り立つ工業です。カは「労働力」。IC部品は軽量高付加価値。値段が高いので、航空機を利用した輸送でも採算が取れます。輸送費の割合は「小さい」ですね。4が正解。

 

【8】【インプレッション】さらに工業の問題。九州をシリコンアイランドと呼ぶことについては中学でも学習する基本的な事項であるが、それを理論付けて思考するという点が高校的とも言えるのだろうか。ただ、いずれにせせよ難しい問題とは思わない。

 

【解法】「シリコンアイランド」という呼称は基本的なものなので、必ず知っておこう。シリコンすなわち半導体を中心としたコンピュータ部品の組立工場が九州には多く、カリフォルニア州のシリコンバレー(こちらは部品組立というより研究開発が主であるが)になぞらえて、こうした呼称が生まれた、

まず( カ )から判定しよう。「東京圏に比べて人件費が安価である」と述べられている。半導体(IC)工業は先端産業の一つではあるが、単純労働力に依存する労働集約型工業であることは間違いなく、1人当たりの所得の高い東京大都市圏より、この値が低い九州に工場が立地することが有利となる。まず解答を③と④に絞る。

さらに( キ )について。半導体などコンピュータ部品は小さいながら価格が高い。「軽量高付加価値」の工業製品である。航空機による輸送などコストがかかったとしても十分に採算がとれるものである。軽くて小さいので運びやすいことを考えれば、生産費に占める輸送費の割合が「小さい」と言えるだろう。正解は④である。

「航空機で運ぶということはコストが高いじゃないか。だから生産費に占める輸送費の割合が高いじゃないか」と考えてはいけない。「半導体が製品として軽量であり」と述べられているのだから、何よりまず「運びやすいということだな」と考えるべきである。小さな荷物で済むのだから、わざわざ船でゆっくり運ぶ必要もない。航空機で運んでも大したロスにはならない。王するに「コスパがいい」って感じ。通信販売で安いものを買うと送料の方が高いんちゃうか!?って複雑な気持ちになるけれど、高くて小さいものを買えば製品価格に比べ送料は安くて済むので、得した気持ちになるでしょ?身近なものに結びつけて考えよう。

 

【関連問題】(2010年度地理B本試験第3問問4)

工業立地に関する問題はありがちだね。しかも簡単なので、確実にゲット!

 

【アフターアクション】工業立地については本問のようにダイレクトで出題されるケースが多いが、簡単なジャンルでもあるので確実に得点できる。おいしい問題だと思うよ。

本問では市場立地型と労働力指向型が取り上げられているが、これらを含め主な工業立地バターンについてまとめてみたので、参考にしてほしい

 

原料立地

製品重量が原材料より軽くなる。重量減損型。

セメント工業

パルプ工業

鉄鋼業(初期)

市場立地

1)製品重量が原材料より重くなる。

2)情報や流行を反映できる。

1)ビール工業

2)ファッション産業・出版印刷業

労働力立地

製造コストにしめる労働力の割合が高い。

1)単純労働力に依存。発展途上国に進出。

2)熟練労働力に依存。先進国にとどまる。

1)衣服工業・機械組立工業

2)精密機械工業

集積立地

周辺に関連工場(部品)が必要。労働力や広い敷地も大切。

自動車工業

臨海立地

原材料を輸入に依存

石油化学工業

鉄鋼業(高度経済成長期以降)

臨空港立地

軽量高付加価値であるため、航空機で輸送しても採算が取れる。

IC(集積回路)工業

用水立地

製品処理用水が必要。ただし廃液を生じる。

製紙業(パルプから紙に加工)

電力立地

精錬に大量の電力を必要とする。安価で安定した電力の得られる

アルミニウム工業